教育・子育て

いきなり学年最後の日 休校要請で現場は大混乱「もうバタバタ」 (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、文部科学省は28日、全国の教育委員会に一斉休校を要請する通知を出した。「もうバタバタ」「仕事を休めず、子供たちだけ家に残すのは不安」。多くの学校でいきなり学年最後の日となったこの日、対応に追われた教育現場や、子供の居場所確保に悩む保護者らの間に混乱と戸惑いが広がった。

 「勉強したのに」

 東京都台東区の都立白鴎高では、学年末テストや海外研修が取りやめになることについて、善本久子校長が校内放送を通じて生徒に説明、「休校中は不確かな情報に惑わされず、冷静に行動を」と注意を促した。

 学年末テストの中止に1年生の男子生徒(16)は「勉強してきたのに残念」と肩を落とした。1年生の女子生徒も「先輩たちと過ごせる時間が少なくなり寂しい」と話した。

 東京都町田市のある市立中学でも、今年度最後の登校日となった28日に期末テストが終了。2年の担任をつとめる国語教諭(45)は「何とか通知表がつけられる」と安堵(あんど)した一方で、「返却後の解説授業ができないと、せっかくの学びの機会が生かせない」とため息を漏らした。始業直後の時点では休校が未決定で、「来週からどうなるの」と不安がる生徒に「まずはテスト」と声をかけて落ち着かせ、休校決定後は家庭学習の教材の用意に追われた。「もうバタバタ。せめて準備期間が欲しかった」と不満を口にした。

 都内の公立中学校の校長は、卒業式や修了式をどうするかはまだ未定とし、「生徒のために(式を)やらせてあげたいが、今までにないことで、都教委の方針に従って一つずつ対応していくしかない」と話した。また休校開始の3月2日が、都立高校の合格発表にあたることにも「生徒の不利益にならないよう、フォローアップが大事になる」と話した。

 練習継続判断も

 一斉休校要請は、部活動関係者らにも活動継続か否かの難しい判断を迫っている。関東地方にあるバレーボール強豪校の私立高校の男性監督は「休校になったら、部活動も休むしかない。生徒の安全が最優先で仕方のないことだが、自宅待機をすることが本当に安全なのかは疑問が残る。検査自体が行き届いていない状態で、場当たり的な対応にも見える」と話した。

 一方、3月19日に開幕予定の選抜高校野球は、日本高校野球連盟が大会開催の可否を3月4日にも協議するが、出場校は、独自の判断で練習を継続する方針の高校が多い。宮城県仙台市の仙台育英高校は休校するが、野球部は通常通りの練習を継続するという。担当者は「県高野連から『練習中止』という指示が来ていないので、生徒の体調管理や衛生指導に気を付けつつ続ける」と話す。

 東京都世田谷区の国士舘高校は、2日以降も授業継続が決定されており、練習も通常通り行うという。

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