ヘルスケア

5年ぶり食事摂取基準改定 高齢者の虚弱予防対応、減塩へ目標を引き下げ (2/2ページ)

 日本人の食生活で最大の問題とされる塩の取り過ぎについては、1日当たりの食塩を0.5グラム引き下げ、成人男性は7.5グラム未満、同女性は6.5グラム未満、高血圧や腎臓病の悪化を防ぐために6グラム未満に抑えることとし、減塩を促した。

 生活習慣病を予防するため飽和脂肪酸の摂取についても小児で新たに基準を設定。成人では、脂質をエネルギーの2~3割にすることとした。

 脂質は種類によって体への影響に違いがあるが、佐々木さんによると、この範囲で摂取すれば必要な脂質は不足せず、不要な脂質を取り過ぎることも避けられるという。

 ただ、数値目標の設定が見送られた項目も多い。策定検討会報告書は、研究者の数とその質がこの基準の策定に求められる能力に対応できておらず、近い将来に策定に支障を来すおそれがあると指摘。研究者の育成が急務だとした。佐々木さんは「日本人、日本食についての研究が圧倒的に不足している」と指摘し、「日本食は健康に良いという定説さえ、実は根拠が不確かです」と話している。

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