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布製マスク生産に大忙し 栃木・足利の縫製工場

 新型コロナウイルス感染でマスクの品不足が続く中、栃木県足利市松田町の縫製加工業「テキスタイル・サンワ」では、布製マスクの生産に追われている。創業以来、マスクの生産を手掛けたことはなかったが、縫製技術が買われ、1万枚の注文が舞い込んだ。中村武男社長(71)は「1枚でも届けたい」と連日、作業に精を出している。

 同社は約40年間、大手メーカーの注文を受けパジャマ専門の縫製加工を行っているが、2月初旬、このメーカーから「マスクの需要が高まっている。どうかマスクを縫ってくれないか」と突然、1万枚のマスク生産を頼まれた。

 連日の報道でマスク不足に心を痛めていた中村社長は「縫製技術を生かせるなら」と、マスクの生産に入った。従業員は中村社長含め計14人で、その半数近くをマスク作業に割り当てたほか、パジャマの縫製作業の一部を同業者に外注するなどした。

 マスク縫製は不慣れな上、パジャマに比べ細かい作業で手間がかかるという。生産しているのは一般的な四角形とカラスマスクともいわれる立体型の2種類。2枚のガーゼを縫い合わせ、ゴムを通し、梱包(こんぽう)するなど完成まで約10工程あり、中村社長自らもハサミを持つ。

 メーカーからは追加注文の打診も受けているという。中村社長は「人手不足が悩みの種だが、困った人がいる以上、どうにかしたい」と話している。(川岸等)

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