新年度がスタートした1日、東北地方の企業や各自治体では、入社式や辞令交付式が行われた。新型コロナウイルスの感染者数が東北地方で最多の宮城県では、テレビ会議を利用した企業もあり、例年とは違う光景が繰り広げられた。
生活用品大手の「アイリスオーヤマ」(本社・仙台市青葉区)ではこの日、テレビ会議システムを利用した入社式が行われた。
入社式には高卒・大卒あわせ394人の新入社員が参加。今年は角田市内の拠点工場にモニターを設置し、国内外の6工場に社員を分散させ、テレビ会議システムで中継する形式となった。
入社式では、参加者に検温やマスク着用などを義務付けた。また、新入社員のうち、卒業旅行などで海外渡航歴のある40人については式への参加を見合わせ、自宅待機にするなどの措置を取った。
同社では6月から国内外の工場でのマスク増産を表明している。大山晃弘社長は「生産設備を整え、感染がこれまで以上に進めば、増産する工場の生産能力をさらに高めたい」と話した。
一方、宮城県庁ではこの日、新規採用職員の辞令交付式が行われた。今年は従来の県庁講堂に全部局が集合する形式から、各部局単位での実施に変更。知事講話を延期するなど、時間を大幅に短縮した。
1日付の新規採用職員は136人。そのうち総務部では新規採用職員15人が全員マスクを着用して会議室での辞令交付式に臨み、一人一人に辞令が渡された。管財課配属の高橋将也さん(21)は「県民の皆さまが安心、安全な生活を送ってもらえるよう頑張る」と話した。