新型コロナウイルスの感染拡大防止策を検討する政府の専門家会議は1日、都市部を中心に集団感染が相次ぎ、感染者が急増している現状を踏まえ、オーバーシュート(爆発的な患者急増)の前でも「医療崩壊」に陥る恐れがあるとの新たな見解を示した。東京や神奈川、大阪などの大都市圏では、特に医療提供態勢が切迫しており、直ちに重症者の治療を優先した対策を講じるよう求めた。
国内の感染状況については、今のところ、欧米諸国などのようなオーバーシュートは見られていないと指摘。一方で病院や高齢者・福祉施設、海外への卒業旅行、夜の会合の場などで集団感染が起き、若年層だけでなく、中高年層もその発生原因とした。「コロナ・自粛疲れ」といえる警戒感の緩みもみられるいう。
その上で、死者を最大限減らすための医療提供態勢の整備の必要性を強調。都道府県は重症者や利用可能な病床数、人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)の数を把握し、患者の受け入れ先などを医療機関と調整していくことを提言した。軽症者については、自宅以外に宿泊施設などでの療養も選択肢とした。
感染状況に応じた地域区分の考え方を修正し、直近1週間で新規や感染経路不明の感染者が大幅に増えているなどの「感染拡大警戒地域」では、知事から外出自粛要請などが出ることを想定。学校の一斉休校も選択肢として検討すべきとした。現状では、東京や大阪が該当するとした。