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欧米「マスク争奪バトル」突入 不要論一転…需要急増

 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス感染が広がる米欧が、マスクの「争奪戦」を展開している。予防策としての「マスク不要論」の見直しが相次いだことで、獲得競争に拍車がかかった。

 ドイツの首都ベルリン市は3日、市警察用に発注した20万枚のマスクが、タイ・バンコクの空港で奪われたと発表した。市当局は米国の関与を主張し、「まるで海賊」と非難した。独報道によると、マスクは市が米企業に発注。中国の工場で製造され、バンコク経由で空輸されるはずだった。

 また、フランスでは自治体に配送される予定だったマスクが、中国からの発送直前、空港で外国人業者に買い取られていたことがラジオ報道で発覚した。

 インタビューに応じた仏東部の自治体責任者は「空港で米国人が、われわれの3、4倍の値段を現金で払い、持ち去った」と発言。輸入業者は「競争が激しい。契約前に入金しないと、マスクが確保できないほどだ」と話した。米当局は仏メディアで「米政府は、仏向けマスクを買ったりはしない」と関与を否定した。

 マスクをめぐっては、米政府が3日、国民に外出時の着用を奨励する方針を発表。フランスは医療用の2億枚近くを中国に発注したほか、一般にも着用を促す方針に転じるなど、欧米で需要が急増している。

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