ヘルスケア

看護師590万人不足 WHO報告、地域に偏りも

 世界保健機関(WHO)などは7日、看護師を巡る状況についての報告書を発表し、世界全体で依然として約590万人の看護師が不足しているとして、各国に養成や雇用の拡充に力を入れるよう訴えた。

 報告書によると現在、世界に看護師は約2800万人おり、医療従事者の59%を占めている。約9割は女性。2013~18年に470万人増加したが、世界人口で5割を占める国々に8割強の看護師が集中するなど、地域的な偏りもみられる。特にアフリカや東南アジア、中東などで看護師不足が目立つ。

 看護師の高齢化も深刻で、今後10年で6人に1人が引退する見通し。このため、看護師不足の国では今後、資格取得者を年平均8%ずつ増やしていく必要がある。資格取得者が看護師として働ける場を確保するための費用と合わせ、人口1人当たり10ドル(約千円)の経費が必要として、各国政府に対応を促した。

 WHOのテドロス事務局長は、新型コロナウイルス感染症への対応でも看護師は医療現場を支えていると指摘し「保健制度を支える柱だ」と存在の重要性を強調した。(共同)

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