ヘルスケア

「寂しい」「協力したい」 東京都の休業要請に都民

 東京都の小池百合子知事が10日、緊急事態宣言を受けて休業要請する6業種・施設を発表した。都内では感染者の増加が突出し、他の自治体とは桁違いの状況が続いている。「危機管理の要点は、最初に大きく構えてそこから緩和していくこと。自分、家族、社会を守るために協力を」。小池氏は都民に重ねて理解を求めたが、都民はどう受け止めたのか。

 帰宅ラッシュを迎える午後5時過ぎ、JR渋谷駅前のスクランブル交差点の人通りはまばらだった。

 緊急事態宣言後も通勤を続けているという埼玉県新座市の男性会社員(68)は「これだけ感染者が増えてくると、店に入るのが不安になる。飲みに行きたくないというと嘘になるが、感染すると職場にも迷惑をかけてしまうので、自重している」と話す。

 できるだけ人と接触しないように、昼食もコンビニ弁当で済ませていると話す。「花見の季節に寂しいけどね」。男性は足早に駅へと向かった。

 武蔵野市の不動産業の男性(38)は「都の方向性が発表されて、各業界はひと安心だと思う」と話す。飲食店向けの物件も取り扱っているといい、家賃の支払いの先送りなどの相談もあるという。「税理士をつけていない店もあり、協力金の申請などできる範囲で協力していきたい」と語った。

 千代田区の女性会社員(29)は「ライブハウスでの感染が騒がれていたが、パチンコ店も危険性が高いと思っていたので要請には賛成。これをきっかけに事態が落ち着くのではないか」と話す。

 一方で、飲食店への要請については「終業時間が遅いのでよく仕事帰りに利用していた。なじみの居酒屋が休んでしまうと、日々の楽しみがなくなってしまうようでさみしい」と複雑な様子だった。新宿区の男性会社員(26)も「歌舞伎町の人通りは大幅に減った。店は営業していても売り上げはないだろうし、給付を受けられるのなら協力する店もさらに増えると思う。感染拡大を抑えられると思う」と期待感をにじませた。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus