(1)自分の症状を冷静に見つめ「これはコロナのせい」と自覚する
「『コロナが怖い』『感染したらどうしようかと不安になる、焦ってしまう』。そうした気持ちは誰もが感じることであり、決して『そう感じてしまう私はおかしい』と考えないほうがいい。不安や焦りが募れば、気持ちが自然と落ち込み、夜も眠れなくなるかもしれない。そのときは『きっとコロナによって自分はいつもよりも不安になっている』『敏感になっている』と認め、受け入れることが大切です」
「不安を認め、受け入れることはうつに対する基礎的な自己防衛術です。不安をひとりで抱え込まず、まずは自分の症状を認めて、自覚すること。それが治癒への第一歩になります」
(2)ニュースの追っかけをやめる
「コロナウイルスに関するニュースを意識的にシャットアウトしましょう。ネガティブな情報に触れ続けていると、自然とネガティブな気分に支配されてしまう。自分ではそのことに気がつきにくいのです」
「『いつも通りに行動し、気がつくとネガティブになっている』ならば、情報を選択し、ネガティブとポジティブの情報の量を調整しバランスをとることが大切です。『この情報番組はネガティブだな、今の会話もネガティブだな』。そう思ったら、意識的にポジティブなニュース、ポジティブな話題に触れましょう。例えば、音楽を聴く、好物を食べるなど、ポジティブな気持ちになれることを積極的に行うことが『コロナうつ』の予防になります」
なぜ、テレワークでコロナ鬱になってしまうのか
(3)規則正しい生活をして、できるだけ体を動かす
「外出の自粛やテレワークなどにより、多くの人は運動量が減っています。特に若い世代は会社や学校に行くという習慣がなくなり、日中はソファで眠って夕方に目を覚ますなどと生活が乱れがちです。自堕落な生活による健康被害は、『コロナうつ』よりも深刻になります。体力が失われ免疫力が低下すれば、コロナどころか風邪にもインフルエンザにもかかりやすい体になってしまいます。その上、うつにもなりやすくなってしまうのです」
「運動習慣のある人とない人とで比較すると、運動習慣のない人のほうが圧倒的にうつになりやすいことがわかっています。朝、太陽の光を浴び、日中は活動する。3食とも健康的な食事をし、間食は控える。夜はお風呂に入り清潔を保ち、ゆっくりと休む。この『当たり前』な生活こそが、コロナへの感染確率を下げると同時に、『コロナうつ』から(健康な)心を守ります」