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横浜市内の2区で“コンビニ”が走る 買い物弱者を支援 (1/2ページ)

 買い物を不便に感じる“買い物弱者”に商品を届ける移動販売の取り組みが横浜市内でも広がっている。高齢化が著しい金沢区と港南区で、大手コンビニエンスストア「セブンイレブン」の移動販売「セブンあんしんお届け便」の営業が2月から始まっている。新型コロナウイルスの感染防止の観点からも、密閉した店舗内での買い物より風通しのいい屋外型の方が安全との見方もある。買い物弱者は高齢化が進む地方だけではなく、車を持たない人の多い大都市でも増えており、問題解決策としても期待が寄せられている。

 2月のある日。同市金沢区釜利谷地区の夏山第一公園内には、「セブンイレブン横浜杉田3丁目店」(同市磯子区)の軽の移動販売車“走るコンビニ”1台が止められていた。

 買い物しづらい環境

 移動販売車の横側の扉が開くと、中には牛乳や野菜、弁当や食パンのほか、トイレットペーパーなどの日用品約150品目が並んでいた。近くに住む主婦や高齢者たちが、かごを片手に買い物を楽しんだ。

 移動販売車が走るエリアは、現時点で金沢区の釜利谷地区と富岡地区、港南区の笹下地区と永谷地区、下永谷地区。それぞれの場所を週1回巡る。

 この日、ヨーグルトなどを購入した井筒タエコさん(89)は「車の運転もしないし、つえをつきながら持ち運ぶのは体力的につらい。近くで、すぐに商品が手に入るのは助かる」と笑顔を見せた。普段はカタログ通販で食品などを注文しているが、自宅まで商品が届くのは約1週間後。「自宅からバス停に行くまで歩いて15分。加えて最寄りのスーパーまではバスで30分ほどかかる。1人で買い物は難しい」と話す。

 農林水産省によると、最寄りのスーパーなどが自宅から離れている65歳以上の買い物弱者「食料品アクセス困難人口」は、平成27年時点で全国に約825万人いると推計され、全65歳以上人口の約25%に当たる。

 高齢化率市内2位

 また、釜利谷地区は坂道が多く、公共交通機関が少ないなど、足腰が弱い高齢者にとって買い物しづらい環境だ。さらに、金沢区では急激な高齢化や人口減少が続いている。

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