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新型コロナ、傾向変化し「親から子に」感染増

 新型コロナウイルスの感染拡大に対する政府の緊急事態宣言から2週間が過ぎ、東京都内の感染傾向に変化が生じている。当初目立った「夜の繁華街」での感染疑いの割合は減少する一方、家庭内感染が増加。特定の場所ではなく市中で感染し、外出自粛生活の中、家族内で拡大する構図が浮かぶ。1日当たりの感染者数は17日に最多の201人を記録して以降、数字上は減少にも見えるが、都は「依然として高水準」として強い警戒を維持する。

 夜の繁華街が焦点として浮上したのは、3月30日に小池百合子知事が開いた記者会見。接客を伴うキャバクラなどの飲食店で感染多発の疑いがあるとし、利用自粛を強く呼びかけた。

 都によると、3月下旬から4月上旬にかけ、1日当たりの感染者数の2~3割程度をバー、キャバクラの従業員ら夜の繁華街関係者が占めた。都担当者は「同じ店から多数の感染者が出る事例もあった」。7日の緊急事態宣言発令で繁華街への人出が激減し、4月中旬以降、夜の街関係者が占める割合は1割前後に減っている。

 一方で、増えてきたのが家庭内感染だ。3月下旬には「まれなケース」(都担当者)と捉えられていたが、4月13日頃から感染者の1割前後は家族からの感染が確認されるようになった。親から子への感染が目立ち、5人家族が全員感染したケースもあった。都担当者は「家庭内クラスター(感染者の集団)が多発している可能性がある」と警戒する。

 都関係者は背景に市中感染の広がりがあると指摘。通勤などで外出して感染し、外出自粛で家族と自宅内で長時間過ごす中、感染が広がっている可能性があると分析する。

 緊急事態宣言以降、1日当たりの感染者が100人超となった日は13日に及び、都はテレワークによる在宅勤務や不要不急の外出自粛の徹底を引き続き呼びかける。

 小池知事は21日、外出自粛や休業要請の効果に関して「みなさんの協力が実っているのかいないのか、よく分析したい」と話した。

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