ヘルスケア

利用者の健康優先も…介護現場に重い負担 休業要請も補償もなし

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国で858の高齢者向け介護事業所が休業していることが明らかになった。重症化リスクが高い高齢者を守るための措置だが、経営面での負担も重くのしかかる。

 大阪市内に4つの介護施設を運営する社会福祉法人・聖綾福祉会では、3月中旬から短期宿泊(ショートステイ)や通所介護(デイサービス)も原則休止としている。担当者は「デイサービスでも複数人で入浴したりレクリエーションを楽しんだりすることがあり、感染を広げてしまう恐れがある」と説明する。

 ただ、一人暮らしの高齢者の中には単独での入浴が難しい人もいるため、希望に応じて個別に迎えに行き、施設で入浴してもらうなどのサービスは実施。利用者の家を訪ねる訪問介護も継続している。一方で家族との面会を含め入所者の外部との接触は控えてもらっている。「ホーム内で感染を広げないための措置。できる限りホームでの様子を伝えるなどして理解してもらっている」と話した。

 東京都内の6カ所でリハビリ型のデイサービス事業所を運営する「メディヴァ」も4月8日から全事業所を順次休業。3月中は利用者数が3~4割減となっていたといい、担当者は「この業界は休業要請が出ておらず、補償も受け取れない。経営的には非常に厳しいが、感染拡大防止を最優先した」と打ち明ける。

 現在は職員のほとんどが在宅勤務。電話で利用者のケアを行っている。ただ「長期化すれば高齢者の身体的な機能低下を招く恐れがある」と危機感を募らせており、現在出されている緊急事態宣言の期限が過ぎた5月7日以降をめどに、規模を縮小しての再開を目指しているという。

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