新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東北地方の雇用状況にも大きな影響が出ている。宮城県では宿泊業・飲食サービス業の新規求人数が大きく落ち込み、岩手県でも3月の有効求人数が前月比9・9%減となるなど大幅に悪化した。東北の各自治体では現在、感染の拡大防止に躍起だが、今後は雇用対策も課題となりそうだ。
秋田労働局によると、東北6県平均の3月の有効求人倍率は1・28倍(全国平均は1・39倍)で、前月比0・06ポイント減となった。東北6県のトップは秋田で同0・02ポイント減の1・37倍。秋田が首位になるのは統計が残る平成20年1月以降初めてだという。次いで福島が同0・01ポイント減の1・36倍。前月まで45カ月連続の首位だった宮城は同0・11ポイント減の1・35倍で3位に低下した。山形は同0・05ポイント減の1・30倍、岩手が同0・08ポイント減の1・20倍、青森は同0・03ポイント減の1・10倍だった。
宮城労働局が28日発表した新規求人数(原数値)の産業別では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたホテルや旅館を含む宿泊業・飲食サービス業が前年同月比46・2%減、卸売業・小売業が同25・3%減となった。同局は「新型コロナウイルスの影響について、4月以降の動きを注視していきたい」としている。
一方、岩手労働局によると、岩手県内の3月の有効求人数は前月比9・9%減(2835人減)の2万5769人。東日本大震災が発生した23年3月の同13・4%減(2309人減)に次ぐ大幅な減少で、減少数は震災当時を上回った。
また、雇用調整助成金に関する相談は1千件を超えており、同局では「今後も増える見通し」としている。