ヘルスケア

北海道の鈴木知事「医療体制が危機的状況」 道内感染者延べ914人

 感染が拡大している新型コロナウイルスをめぐり、北海道と札幌市は6日、道内で新たに22人の感染が確認され、1人が再陽性と判明したと発表した。札幌市の80代男性が亡くなったことも明らかにした。道内の感染者は延べ914人(実人数907人)、死者は46人となった。

 道によると、5日時点で治療中の道内の患者490人のうち428人が札幌市とその近郊に集中。病床数が逼迫(ひっぱく)し、他の病気の救急患者受け入れも厳しい状況となっている。

 6日に臨時記者会見を行った北海道の鈴木直道知事は「医療提供が危機的な状況にある。札幌市で厳しい状況にあると、他の地域からの広域搬送の受け入れが困難になっている。他の地域の医療崩壊に結び付く」と危機感を表明。改めて道民に緊急事態措置の延長への協力を呼び掛けた。

 道と札幌市によると、クラスター(感染者集団)が発生している介護老人保健施設「茨戸(ばらと)アカシアハイツ」(札幌市北区)で6日、70~80代入所者3▽60~70代看護職員2▽40代介護職員1-の女性5人が陽性と判明。この施設での感染者は計67人となった。

 再陽性患者は院内感染が広がっている「国立病院機構北海道がんセンター」(同市白石区)の30代女性看護師で、4月29日に宿泊療養施設を退所。自宅で経過観察中の5月1日に嗅覚障害などを発症し、5日に再び陽性反応が出た。

 さらに、「遠軽厚生病院」(遠軽町)でも6日、20代の女性医療スタッフが陽性と判明し、同病院の感染者は計14人となった。

 道によると、6日午後5時時点で治療中の患者は490人で、うち19人が重症となっている。

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の延長で、北海道は引き続き「特定警戒都道府県」とされ、鈴木知事は4日の道感染症対策本部会議で、休業要請を15日まで延長すると表明していた。

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