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新型コロナと台風“複合災害”で避難所は 藤枝市が訓練

 静岡県藤枝市は25日、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないうちに大型台風が接近したとの想定で、避難所開設訓練を行った。梅雨が迫り各地で小規模地震が頻発する中、感染症と自然災害との“複合災害”はいつ起きてもおかしくない。避難所は「3密」の状態になりやすいため、同市では感染防止と避難の両立に向けた課題の洗い出しに努めていた。

 訓練では、まず受付で各避難者の検温と健康チェックを行い、2週間以内の県外移動の有無を確認した。熱が高いなど感染の疑いがある避難者は、感染していない避難者と動線が重ならないよう裏口から専用スペースに案内。室内で間仕切りを組み立てて、感染疑い者同士が接触しないようにするなどの感染防止対策を行った。

 訓練参加者は、避難者の健康状態を聞き取る質問の内容、防護服の着脱、感染疑い者の動線チェックなど、自分に割り振られた業務の手順を確認し、万が一に備えていた。

 同市では避難所で生活する感染疑い者に、常時マスクを着用して1日3回検温と健康観察を行うこと、感染していない避難者と接触しないため食事は指定場所で受け取り、専用トイレを使うことなどを要請する。

 ただ今回の訓練では、避難という一刻を争う場面でありながら、検温などのため受け付け作業に予想以上の時間がかかること、医師や看護師が常駐しないこと、避難所のスペース不足など、さまざまな課題が浮かび上がった。

 同市では今回の訓練の検証結果を踏まえて、8月末をめどに新型コロナに対応した避難所開設マニュアルの作成を予定している。

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