ヘルスケア

動物園、居酒屋、ライブハウス…都の「緩和第1段階」スタートで明暗

 新型コロナウイルスに伴う休業要請緩和をめぐり東京都が提示した3段階のロードマップ(行程表)のうち博物館や図書館、動物園などを対象とした第1段階「ステップ1」の緩和が26日、実施された。久々に日常を取り戻した施設で安(あん)堵(ど)と笑顔が広がったが、いまだ再開が見通せない業種もあり、明暗が分かれた。

 動物園で歓声

 2月末から臨時休園が続いていた東京都江戸川区の区自然動物園は、今月31日までとしていた休園予定を急(きゅう)遽(きょ)繰り上げ、この日から営業を再開。午前10時に開門すると親子連れらが次々に訪れ、園内には約3カ月ぶりに歓声が響いた。

 同区の岩沢まゆみさん(43)は「開いているとは知らず、たまたま来た。『(再開は)まだかな』と息子と話していた」と笑顔。長男の一平君(4)も「(再開で)元気になった。ペンギンとヤギが好き」と興奮気味だった。

 動物の柵はこまめに消毒し、ヤギやウサギに触れる「ふれあいコーナー」の利用は見合わせるなど感染防止対策を徹底。丸山淳一園長は「ソーシャルディスタンス(社会的距離)に気をつけながら、動物の姿を楽しんで」と話した。

 八王子市の「高尾山さる園・野草園」もこの日、営業を再開した。城定俊之園長は「4月後半から6月はサルの出産期。休園中に7頭の赤ちゃんが生まれた。ぜひ見に来てほしい」。

 図書館では対面での接触が限定されるサービスが再開に。江東区立図書館でも予約資料の受け取りや資料返却などが解禁された。区の担当者は「利用者が館内にとどまる資料閲覧や閲覧席の利用などのサービスも今後、段階的に再開していきたい」としている。

 「2時間大きい」

 ステップ1では、午後8時までだった飲食店の営業時間を午後10時まで延長することを認めている。

 「2時間でも大きい」と歓迎するのは、カジュアルダイニング「KICHIRI新宿」(新宿区)の広報担当者。「『もう少し飲みたい』というお客さまが飲めるし、客単価が上がる」と期待を寄せる。

 来店者には検温のほか、入り口に設置した次亜塩素酸水を噴霧するトンネルを通過してもらうなど感染防止策を徹底。客同士の飛(ひ)沫(まつ)を減らすためテーブルにアクリル製のついたてを設置し、箸やフォークは使い捨てを使用する。「費用はかかるが、安心してお店を選んでもらうため」という。

 港区の居酒屋「根室食堂 新橋店」も、これまで止めていた魚介類の仕入れを一部再開した。平山徳治店長(48)は「(営業時間の延長で)会社終わりの人々が来るようになるかどうか。売り上げは激減したが、どうにか家賃などの固定費を支払えるようにしたい」と望みを託した。

 めどたたない施設も

 ステップ2への移行時期について都は29日にも判断するとしており、映画館など該当施設の関係者は期待を寄せる。

 東映の担当者は「映画館がステップ1に入らなかったのは残念だったが、その分、準備期間が延びた。ステップ2に移行した段階で再開できるよう頑張りたい」と話した。

 この日、都が公表したロードマップの改訂版では対応が検討されてきたスポーツジムがステップ2に分類された。コナミスポーツの担当者は「宣言解除の地域ではマシンとロッカーのみに限定して営業しており、東京も時期が来れば同様に対応したい」としている。

 一方、各地でクラスター(感染者集団)が発生したライブハウスでは、休業解除のめどは立っていない。4月上旬から休業が続くライブハウス「東京音実劇場」(世田谷区)の女性店長は「従業員への給与や家賃の支払いのみが発生し、厳しい。都の方針に従うが、一日でも早く営業を再開したい」と話した。

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