ヘルスケア

WHOナバロ特別代表インタビュー 米国・ワクチン・東京五輪は (2/2ページ)

 「外出制限が(最終的に)解除されれば、人々の移動が活発になることで、感染者は急増するだろう。全ての政府は新たな感染拡大から国民を守るために、各地域に感染者の特定や隔離、追跡を実施する能力を確保させる必要がある。ただ、全ての国が外出制限中に検査、隔離、追跡のシステムを十分に整備できたわけではない。そういった国で感染の『第2波』が起こる恐れがある」

 --ワクチンの開発状況は

 「感染防御のために十分に機能し、投与された人間に苦痛を与えない条件などを満たしたワクチンを開発するには、(臨床試験を含めて)最低でも約18カ月かかる。しかし、多くの努力が世界で進行中で、短縮される可能性がある」

 --来年の東京五輪開催は可能と思うか

 「現段階では予測できない。新型コロナは当面の間世界にとどまるとみられるが、私は今後数カ月、数年の間にさらなる大流行が起こらないことを望んでいる。感染者数を非常に早く下げるには、人々がソーシャルディスタンス(社会的距離)をとり続けることも必要になる。私たち人類は、このウイルスとともに生きる術を学んでいくことになるだろう」

 【プロフィル】デビッド・ナバロ ロンドン生まれの医師。国連事務総長特使などを経て、今年3月に世界保健機関(WHO)の特別代表に就任した。特別代表は、新型コロナウイルスに関するWHOの方針を各国に広めることや加盟国に戦略的な助言を提供することが主な任務。2017年にテドロス氏が事務局長に選出された決選投票で同氏と争った。70歳。

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