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仙台の常設寄席「花座」2カ月半ぶりに再開 東北唯一の常設寄席

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月末から休館していた東北唯一の常設寄席「魅知国(みちのく)定席 花座」(仙台市青葉区)が今月1日から営業を再開し、寄席に再び活気が戻りつつある。感染防止に向け細心の注意を払っており、花座を経営する座亭の白津守康さん(58)は「ライブの良さをつぶさないためにも、対策を試行錯誤しながら営業していく」と話している。(塔野岡剛)

 「3密」避け定員減

 緊急事態宣言の全面解除を受けて約2カ月半ぶりに寄席を再開した花座では、客席とステージの間に飛沫(ひまつ)防止のためアクリル板を設置。また、来場者に対しては検温の実施、マスクの着用、連絡先の記入を促している。さらに「3密」を避けるため約40人の定員を半分以下の15席程度に減らし、換気用の窓も新たに設置した。

 8日から始まった公演「花座東西交流会」では11人の客が集まり、寄席は笑いに包まれた。高座に上がった三遊亭円馬さんと林家染左さんは「初めて経験するような状況で肩に力が入っていたかもしれない。慣れるしかないね」と口をそろえる。

 「東北に笑いの花を」

 花座では3月末からの休業期間中、寄席や漫才の動画をオンラインで配信する取り組みを行ってきた。それでも、白津さんは「演者と観客との間で絶妙な“間”が生まれるのが、ライブの良さ。直接見てもらうことは絶対に必要」とした上で、「寄席は若手の芸人にとっては客の反応が直接届く修行の場でもある」と再開の意義を強調する。

 感染防止に向けて気の抜けない日々が続くが、「『東北に笑いの花を咲かせる』ということが、花座のオープンからの思い」と白津さん。「今後もスタッフと何ができるか考えていく」と力を込めた。

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