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ごみ収集「ありがとう」「気をつけて」 住民からメッセージ

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請下でも、休むことなく続けられてきた家庭ごみの収集。東京都千代田区には、住民から収集に従事する作業員へ感謝のメッセージやマスクの寄付が届いている。その一方、集積所にマスクがむき出しで捨てられるケースもあり、作業員は感染リスクの不安も抱える。エッセンシャルワーカーに寄せられる多くの善意と一部のマナー違反。同区はホームページなどで感染拡大を防ぐためマスクなどの捨て方を紹介、協力を呼び掛けている。(本江希望)

 手作りマスク

 「大変な時にありがとうございます」「コロナに気をつけてお仕事なさってください」。同区の清掃事務所には、住民から寄せられた40枚以上のメッセージが掲示されていた。

 「こんなにたくさんの方から感謝されることは今までなかった。うれしいし、励みになる」。粗大ごみを担当する作業職員の田口淳士さん(33)はそう語り、目を細めた。

 田口さんがつけていたマスクは、区内に住む70代の女性から清掃事務所に贈られた手作り品だ。浴衣の生地でできており、耳にかけるひもは、ストッキングが使われている。「ほかに保冷剤を入れることができるマスクも頂いた。もっと改良したいから意見を聞かせてほしいとも言っていただいている」

 自粛でごみ増加

 自粛要請による自宅待機で家庭ごみが増加、収集作業員の負担も増えている。可燃ごみを担当する作業職員の武井直人さん(23)は「現在は少し落ち着いたが、緊急事態宣言の時は片づけで出たゴミや衣類などが増え、普段よりも1・5倍~2倍多かった印象がある」と語る。

 作業係長の山崎和治さん(58)は「集計上でごみの量は横ばいだが、千代田区は企業が多く、休業する会社も多かった。その分、家庭ごみが増えたと思われる」と話す。実際、可燃ごみの焼却施設の運営などを行う東京二十三区清掃一部事務組合によると、今年4月の23区の収集ごみ(可燃、不燃、粗大ごみ)は前年に比べ、9%増えていた。

 収集に伴うリスク

 感染対策として、収集作業時にマスクやゴム手袋の着用、消毒などを徹底している。区は同時にホームページやごみ分別アプリ「分けちよ!」で住民側にも周知。使用済みマスクやティッシュペーパーなどを捨てる際は、ポリ袋などに入れ、口をしばって封をするよう呼び掛けるが、集積所にマスクがむき出しの状態で捨てられていることもあるという。「拾うときはとても気を使うし、その場合はすぐに消毒することを心がけている」と武井さんは不安を吐露する。

 コロナ感染だけでない。夏に向けて気温の上昇に伴い、作業時のマスク着用による熱中症などの健康リスクも懸念されている。

 可燃ごみを担当する作業職員の小川健太さん(37)は「マスクをしながらの作業は暑い。今後さらに気温が上がると、熱中症が心配になる」と話す。

 感染症と熱中症、双方のリスクを抱える清掃作業員。住民からの感謝の声を胸に作業にあたる。

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