ステイホームでも博物館の面白さを満喫してもらおうと、国学院大学博物館(東京都渋谷区、笹生衛館長)が手作り動画を使ったオンラインミュージアムを開設。新型コロナウイルスの感染拡大によって多くのイベントが中止や延期に追い込まれるなか、「コロナ後」も視野に入れた新しい楽しみ方の提示に注目が集まっている。
都からの自粛要請によって4月8日から臨時休館となった同館では、全国200以上の博物館が参加する「おうちミュージアム」を会員制交流サイト上で展開してきた。さらに、感染収束後も考えて「遠隔地の人に楽しんでもらえる展示紹介を」と、動画による「オンラインミュージアム」を独自に企画した。
取り組みのユニークなところは、緊急事態に即応して特別な予算措置も執らず、すべて手作りで実現させた点。同大の教員がナビゲーターとなって撮影した動画を、在宅勤務の学芸員が既存のソフトなどを駆使して編集し、YouTubeの公式チャンネルにアップ。「誰も動画作成経験がなく、白紙からスタート」(佐々木理(り)良(ら)学芸員)というが、知識豊富な大学教員ならではのエスコートで実際に館内で展示解説を聞いているような構成になっている。
考古・神道・校史の常設展示をカバーするだけでなく、年に数回開催する企画展では歴史番組風の特別バージョンの動画を用意。また、英語版も構想に入っており、「世界中にボーダレスで発信していきたい」(同)としている。詳細は同館公式サイト(http://museum.kokugakuin.ac.jp/)で確認できる。