新時代のマネー戦略

積立はなぜ「ひし形」が良いのか 家計を動かす収入エンジンの見直し方 (2/3ページ)

井上信一
井上信一

 やり方は簡単。同じ運用・預入期間で金融商品を毎年購入するだけ。運用期間が同じなら、まるで定期収入のように、満期も毎年訪れます。実は筆者もこのひし形積立を20年以上前から毎年行っています。運用期間は少し長めですが、最初の満期は60歳なので、既に80歳までの定期収入を確保できた形です。

 選ぶ金融商品は、運用コストが安く、満期(償還)時までほったらかしにできる外貨建て割引国債(ゼロクーポン債 ※1) が多いので、毎月同額のお金で外貨を積立形式で投資し、1年間で貯まった外貨で、同じ証券会社経由にて(ゼロクーポン債を)購入しています。

 毎月同額投資であれば、為替の影響で円高(外貨安)の時は割安の外貨を多く買え、逆に外貨が割高なら少ししか買わないので、効率的に元手を増やせます。

 ひし形積立の利点は、購入時期と換金時期を分散できることにあります。資産運用においては資産や商品の分散より投資時期の分散と投資金額の少額分散が、よりリスク低減を期待できるのです。将来的に毎年の満期時に入ってくる収入の額は各年の運用成果により異なるものですし、金融機関がバラけ過ぎると管理は大変になりますが、毎年購入する金融商品はつど気になるものを選んでも良いと思います。これらの商品は別ものなので、各年の運用資産が合算されて残高が大きく変動することもありません 。

 また、筆者は老後資金目的で行っていますが、例えば家族で毎年海外旅行に行くのなら、期間短めで旅行資金のために始めるのも一考です。大きなお金を使う際に、貯蓄から取り崩すのではなく、「旅行用の収入が入ってくる」という発想です。

 第3エンジン「保険収入」は有事への備え

 家計にとっての3つ目のエンジンは「保険」で得られる収入です。ただし、これは他の収入源とは異なり、文字どおり有事の際などに働く予備エンジンです。家計における有事とは、「想定外の事態で収入が大きく減るか途絶する」、あるいは「想定外の事態で多額の出費が発生する」事態に他なりません。

 例えば、「まったく働けなくなったら毎月お金をもらえる」、「要介護状態になったら毎年お金をもらえる」、「事故を起こしてしまい億単位の損害賠償請求を負ったら代わりに支払ってもらえる」などが挙げられます。まさに、自分の生命や身体、あるいは事件や事故の遭遇を担保に得られる収入といえます。

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