書評

『タマ、帰っておいで』横尾忠則・作 15年を共にした愛猫に寄せて

 「この絵はアートではない。猫への愛を描いた」と画家の横尾忠則さん。今から6年前、愛猫タマが天に召されたその日から、彼はタマの絵を描き続けた。その数、なんと91点。タマにささげるレクイエム画集となった。

 横尾さんが折々につづった、タマに関する文章も掲載されている。15年の歳月を共にした「家族」の、ふとしたしぐさや習性、表情…。確かにこれらはアートというより、かわいくて仕方がないといった愛のあらわれ。描くことで、喪失感や傷心も少しずつ癒やされたのだろう。タマを通して、画家は生と死を一層鋭敏に見つめてゆく。(講談社、2200円+税)

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