趣味・レジャー

フウセンウオで新しい魅力 和歌山・すさみ町の水族館

 世界中のエビやカニを集めた和歌山県すさみ町立エビとカニの水族館で、「北の海のアイドル」と呼ばれるフウセンウオの展示・飼育が始まった。県内での飼育は珍しく、風船のような愛嬌(あいきょう)ある丸い体が特徴。新型コロナウイルスの影響で入館者が減少しているが、水族館側は自然繁殖させたうえで、「エビ、カニ以外の新しい魅力を加えていきたい」と意気込んでいる。

 フウセンウオは成魚で体長約6センチで、東北以北の太平洋やオホーツク海に生息。吸盤状になった腹びれで海中の岩などに吸着して暮らしている。泳ぎはあまり得意ではないが、不器用に泳ぐ姿が愛らしく、各地の水族館で人気者になっている。

 飼育・展示されているフウセンウオは、北海道沖で漁師が捕獲した5匹で、道内の販売業者から購入した。まだ体長3~4センチで、生後2~3年とみられる。

 展示水槽の一角に小さな別の水槽を入れて観賞できるようにしており、吸着できるよう貝殻も置いている。底にじっとしていることが多いが、時折かわいらしい泳ぎも見せている。

 エビとカニの水族館はエビやカニなど約150種約千匹を展示。コロナ禍で、4月18日~5月20日に臨時休館し、例年なら多くの人たちでにぎわう大型連休期間も営業できず、大きな影響を受けた。

 入館者数は3月で昨年同時期比約30%減で、4、5月は80%減以上になっており、苦しい状況が続いている。

 平井厚志館長は「人気のある生き物を入れて、入館者を増やしていきたい」としており、「フウセンウオを繁殖させて千匹ほどにし、エビ、カニ以外の新しい魅力で水族館を元気にしたい」と意気込んでいる。

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