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増える土砂災害への生活防衛 火災保険の水災補償を検討しよう (3/3ページ)

高橋成壽
高橋成壽

 自動車保険のように毎年保険の更新が必要であれば、年に一度は保険代理店と接点ができます。自動車保険は事故の有無などで保険料が割り引かれますから、安全運転をする誘因があるのと同時に、契約更新に伴い契約の存在を認知することになります。

 一方で火災保険は、住宅ローンの借り入れ条件になっているため仕方なく加入しますが、加入者が好んで契約していることは少ないと考えられます。従って、一度長期契約を締結すれば、35年間何事もなく過ぎてしまいます。そもそも火災保険に加入しているかどうか覚えていない人も多くなるのです。

 毎年更新する火災保険であれば、都度補償を見直せます。近年の水害の大規模化や頻発などを考慮して、住宅購入当初には付保しなかった水災リスクを加えることもできたはずです。いつの間にか保険が終わっていたり、昔のままの契約になっていたりすれば、当然保険金の支払い対象から外れてしまいます。

 火災保険と同様に、家財保険も似たような状況です。そもそも家財保険に加入していないご家庭も多いでしょう。

 保険に加入していなければ、災害による被害にあっても補償されることはありません。これは保険料を払っていないのですから当然です。

 しかし、知らぬ間に保険期間が満了していたり、加入した時と状況が大きく変わり現実と合わない補償のままであったりしたら、残念では済まされません。

 保険に加入している場合は毎年保険会社からお知らせが来ているはずですから、補償内容を改めて確認してください。保険会社から何の連絡も来ていない場合には、保険期間が満了している可能性があります。昔の保険証書を探し出して保険会社に契約の有無を確認しましょう。損害保険会社は合併を繰り返し昔の名前と今の社名が大きく異なる場合もありますが、社名が変更になっても契約情報は残っています。ご自身の火災保険が有効か確認することをお勧めします。

 万が一火災保険に加入していないことがわかったら、近隣の保険代理店を探して水災を付保した火災保険の見積もりを作ってもらい加入を検討しましょう。

 もし、保険料負担に悩んだら、家財保険より住宅の火災保険を優先するとよいでしょう。理由は、保険金額の桁が違うからです。住宅は数千万円、家財は高くても数百万円です。いざというときに家具が無くても生活できますが、家がなければ生活ができません。生活再建のためには大きな金額の補償を優先して検討するとよいでしょう。もちろん資金に余裕があれば、両方加入がお勧めです。他に、地震保険の加入も忘れないようにしましょう。住宅を保有していると維持のための火災保険料もそれなりの金額になってきます。持ち家の維持コストと諦めてしっかりとリスクを踏まえた内容での加入があなたを助けることになるでしょう。

高橋成壽(たかはし・なるひさ)
高橋成壽(たかはし・なるひさ) ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
寿FPコンサルティング株式会社代表取締役
1978年生まれ。神奈川県出身。慶応義塾大学総合政策学部卒。金融業界での実務経験を経て2007年にFP会社「寿コンサルティング」を設立。顧客は上場企業の経営者からシングルマザーまで幅広い。専門家ネットワークを活用し、お金に困らない仕組みづくりと豊かな人生設計の提供に励む。著書に「ダンナの遺産を子どもに相続させないで」(廣済堂出版)。無料のFP相談を提供する「ライフプランの窓口」では事務局を務める。

【お金で損する人・得する人】は、FPなどお金のプロたちが、将来後悔しないため、制度に“搾取”されないため知っておきたいお金に関わるノウハウをわかりやすく解説する連載コラムです。アーカイブはこちら

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