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遊覧船も感染防止徹底 宮城・松島の観光関係者に漂う期待と葛藤

 新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に立つ観光業界に対する政府の支援事業「Go To トラベル」が22日、東京都を除く46道府県でスタートした。日本三景の一つとして知られる「松島」(宮城県松島町)でもこの日、4連休を目前に控えたこともあって多くの観光客が訪れた。地元の観光関係者からは「売り上げ回復の一助に」と期待の声が上がる一方、最近の感染拡大の傾向に「お客さんを大々的に呼び込んでいいのか」といった声も聞かれた。

 松島は県内外から年間300万人以上の観光客が訪れ、東北でも有数の観光名所として知られる。千葉県から夫婦で訪れた庄司仁さん(61)、豊子さん(62)はこの日、親族の墓参りを兼ねた旅行で松島を訪れた。観光してから山形県内のホテルに向かうといい、「手洗い、マスクの着用など最低限の対策を取って観光地を巡りたい」と口をそろえた。

 町中心部で土産物店「陸奥物産店」を営む相沢慶太郎さん(40)は「店の売り上げは例年の1割以下の状態が続く。観光客が増えて売り上げ回復の一助になれば」と今回の支援事業に期待を寄せる。ただ、東京発着が除外される形でスタートしたことに「土産屋は県外、特に東京からのお客さんの消費がメインだっただけに、厳しい」と肩を落とした。

 松島で観光客に人気の「島巡り遊覧船」は緊急事態宣言を受けて4月7日から休業していたが、6月13日から土日のみ営業を再開。今月からは通常の運航に戻した。遊覧船を運営する「松島島巡り観光船企業組合」では感染拡大を防止するため、観光客が氏名や連絡先を記入する「乗船名簿」を作成したほか、乗客の人数制限を実施。定員を通常の半分の200人程度に絞り、船内の消毒や換気などを徹底している。

 同組合の中島一都さんは「新しい船の運航も3カ月遅れでスタートできた。事業が始まったこともあり、県外からのお客さんも多い」と話す一方、「感染者が最近、再び増えてきているので困惑している部分もある。感染症対策で費用もかかるので、お客さんには戻ってきてほしいが、感染者が増加傾向の中、お客さんを大々的に呼び込んでよいのかという葛藤がある」と複雑な胸中をのぞかせた。(塔野岡剛、写真も)

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