デザイン担当による興味深い回答
ハリアーは造形的なデザイン性を求めただけでなく、乗員の所作や意識にすら、日本の魅力である「雅」を意識したというのだから恐れ入る。
ちなみに、リアエンドの処理も特徴的だ。リアのコンビネーションランプは徹底的に水平基調である。右から左へとフラットにランプが繋がっているのだ。ウインカーやバックランプをバンパーに組み込むなどしてまで薄く細いテールランプに拘ったことには驚かされた。
実はこのウインカーとバックランプを独立させたことが侃々諤々、好き嫌いを呼んだ。否定的な意見も少なくないのだ。それまでして薄く細くに拘った理由を、デザイン担当に聞くと興味深い回答が得られた。
「薄く細くするのは、先進性を強調するためです」
「流行ですか?」
「確かにトレンドかもしれませんね」
薄く細く水平基調にするには、高照度のLEDを埋め込む必要がある。技術的にも高度である。それが先進性を感じさせる理由なのかもしれない。たしかに最近、薄く細い水平基調のコンビネーションランプが多い。最新SUVのほとんどが薄く細く…のような気がする。となるとしばらく、薄く細く…のトレンドは続くのだろう。
【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】はこちらからどうぞ。