クルマ三昧

ハリアーが賛否ある極細リアランプに拘ったワケ 雅やかな意匠に込めた先進性 (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 デザイン担当による興味深い回答

 ハリアーは造形的なデザイン性を求めただけでなく、乗員の所作や意識にすら、日本の魅力である「雅」を意識したというのだから恐れ入る。

 ちなみに、リアエンドの処理も特徴的だ。リアのコンビネーションランプは徹底的に水平基調である。右から左へとフラットにランプが繋がっているのだ。ウインカーやバックランプをバンパーに組み込むなどしてまで薄く細いテールランプに拘ったことには驚かされた。

 実はこのウインカーとバックランプを独立させたことが侃々諤々、好き嫌いを呼んだ。否定的な意見も少なくないのだ。それまでして薄く細くに拘った理由を、デザイン担当に聞くと興味深い回答が得られた。

「薄く細くするのは、先進性を強調するためです」

「流行ですか?」

「確かにトレンドかもしれませんね」

 薄く細く水平基調にするには、高照度のLEDを埋め込む必要がある。技術的にも高度である。それが先進性を感じさせる理由なのかもしれない。たしかに最近、薄く細い水平基調のコンビネーションランプが多い。最新SUVのほとんどが薄く細く…のような気がする。となるとしばらく、薄く細く…のトレンドは続くのだろう。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。

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