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沖縄戦75年…声なき声を遺族へ 遺骨収集「ガマフヤー」具志堅隆松さん

 暗いガマ(壕)の中から今でも掘り出される75年前の沖縄戦の犠牲者。閉ざされた狭い空間で、作業は、遺骨の声を聞き取ろうとする姿にも見えた。

 那覇市の具志堅隆松(たかまつ)さん(66)は自らを「ガマフヤー」と呼ぶ。沖縄の言葉で「ガマを掘る人」のことだ。ボランティアで40年近く遺骨収集を続けている。

 具志堅さんの案内で7月末、沖縄本島南部の糸満市の山城壕に入った。一帯は激しい地上戦が繰り広げられた末、旧日本軍の組織的戦闘が終結した場所でもある。

 「おそらく日本兵が使っていた茶碗(ちゃわん)です」と、泥だらけの手で差し出された。骨と石を選別できるように手袋は使わない。ヘッドライトを頼りにねじり鎌を使い、素手で土砂をかき分ける。

 ガマフヤーになったのは28歳のときに参加した遺骨収集作業が契機になった。「遺骨をほったらかしにしていることが信じられなかった」

 これまで見つけた遺骨は400柱近い。しかし、せっかく収集した遺骨でも多くは身元を特定できていない。そのため国に対して、鑑定に必要な親族のDNA採取を行うよう要請したこともある。具志堅さんは「高齢化した遺族には時間がない。戦没者の遺骨を遺族に返すのは国の責任です」と訴える。

 約9万4千人の住民を含む20万人が犠牲になった沖縄戦。県によると約2800柱の遺骨が地中に眠っているという。具志堅さんは今日もガマに入る。犠牲者の声なき声を遺族へ届けるために。(写真報道局 納冨康)

                  

 動画は「YouTube」産経新聞チャンネルでご覧になれます。

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