終活の経済学

生前整理(1)前向きに生きる「頑張り」 (1/2ページ)

 日々の掃除でコツコツ進める

 「やらなきゃ」と思っても、なかなか進まないのが不用品処分などの「生前整理」。何から、どうやれば後悔しないのか。「片付け」のプロたちが毎日の掃除で少しずつ進めるコツを伝授する。

 身辺整理の種類

 「生前整理」の基本をおさらいしよう。死後、遺族に委ねる「遺品整理」のほか、最近では「老前整理」という言い方もよく聞かれる。生前整理とどこが違うのだろうか。まずは、片付けがしっかり進むポイントをまとめた。

 「生前整理」とは、主に終活を意識する世代が死後のことを考えて、家族や友人、地域などに迷惑をかけないように、身辺や財産の整理をすることをいう。「この世」に残したくないモノをきれいに捨てて、憂いなく最期を迎えたいという人もいる。

 これに対し、「老前整理」はミドルなど比較的若い世代が老後を安心して過ごすために、早くから身の回りを整理する意味として使われている。「遺品整理」は、故人の残した品(遺品)を遺族らが整理することだ。

 資産も含めて、自分の持ち物の状況がどうなっているのか確認することで、誰に何を分配するか決定しやすくなる。また、身の回りのモノをまとめておくことで、自分の死後に家族が遺品整理をしやすくなる。

 それだけでなく、部屋がスッキリすると、気分的にも身軽になることが最大のメリットだろう。いわゆる「死に支度」といった後ろ向きなものではなく、むしろ前向きに生きるための「頑張り」だと思った方がいいだろう。

 自分で行く末を決定

 生前整理には、もうひとつのメリットがある。自分の財産や持ち物の行く末を自分の意思で決めることができる、ということだ。

 死んでしまったら、何も口出しはできないが、生前であれば自らの意思をきちんと反映させることができる。ただ、加齢とともに、どうしても判断能力が衰えてくるので、まだ元気なうちに自分の意志を周囲にしっかりと伝えておくことも大切だ。

 では、いつから始めるか。「思い立ったが吉日」だ。興味や意欲を持ったその日から、頭に浮かんだことから始めてみてはどうだろう。

 その意味では、40代や50代の人もあえて「老前整理」と「生前整理」を分けて考えず、少しずつ始めてよいだろう。実際には、定年退職や70歳の節目を契機に、始める人も多いようだ。

 生前整理で、何をどの程度、整理すればよいかは人それぞれだ。整理したいモノが多い人は、自分自身でやるべきことをリストアップしてみよう。とにかく思いつく限りすべての要素を書き出してみる。生前整理を前に、自分がどうしても残しておきたいモノを分別しておくことによって、他界した後に遺族に託すという意味でも生前整理は重要な役割を持つ。

 片付けの「整理」とは少々異なるが、金融資産や自動車、不動産など財産の「整理」も大切。何を相続させたいか、何を処分するかもリストアップの大切な対象だ。相続についてはルールをよく理解し、分からないことは弁護士や司法書士に相談する方が安心だ。生命保険の補償内容や特約は現在の契約のままでよいか、解約や変更をするかも「整理」しよう。

 こうして書いていくと、どのような葬式やお墓がよいかといった希望や、遺産分割といった本格的な「死後の手続き」へ進みやすい。金融資産や不動産の相続と、大切にしていた着物や洋服、カメラ、家電製品などを誰に「形見分け」されたいかは、本質的に同じこと。まずは、自分の身の回りのモノをじっくりと見つめてみよう。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus