重症の新型コロナウイルス感染症のため、病院の集中治療室(ICU)などでの治療を必要とした患者の生存率は、流行初期に比べ世界で明らかに改善した。そんな分析を、英ブリストル大などのチームがまとめた。
今年1~5月にアジアと欧米の計10カ国から発表された論文24編を対象に、ICU退室時点の大人の患者について死亡率を調べたところ、全体の平均は42%だった。3月末までの死亡率は、ほぼ60%あり、時の経過とともに改善する傾向が見て取れたという。中国と米国の論文が多く、日本は含まれていない。
死亡率はアジア、欧州、北米と地域間で比較しても差はなかった。一方、他のウイルス性肺炎でICUに入った患者に比べると、コロナの死亡率は大幅に高い。