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コロナ禍の観戦スタイルに「新手法」 視覚・聴覚に訴えて盛り上げる

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、プロ野球、サッカー、相撲の国内主要スポーツ界で新たな観戦スタイルの模索が続いている。観客制限によって損なわれる臨場感を補うため、視覚や聴覚を刺激するさまざまなアイデアを捻出。感染防止を最優先にしながら、スポーツの醍醐味であるライブ観戦の妙を伝えようと知恵を絞っている。

 スタンドにチームカラー

 まずは視覚だ。プロ野球の巨人は7月28日に有観客となった本拠地・東京ドームの客席に、チームカラーのオレンジと黒のボードで「THANKS FANS」と「WELCOME HOME」の文字を描いた。サッカーのJ1浦和は無観客だった7月4日の再開初戦で、ホームの埼玉スタジアムの客席に赤、黒、白のビニール約6万枚を使って優勝シャーレ(皿)などを描き出した。有観客になってからも客席をチームカラーの赤で染め上げ、クラブ関係者は「可能な範囲で大観衆の雰囲気を作り出したい」と話す。

 ハリセン叩いて応援

 聴覚にも訴える。巨人は東京ドームに設置したボードを、席から外して蛇腹に折りたたむことでハリセンにできるようにした。読売新聞東京本社野球事業部は「大きな声を出す、タオルを振るといった応援が難しく、新しい楽しみ方として音を出すことに注目した」と説明。実際、ハリセンで出す大きな音は試合を盛り上げる一因になっている。

 Jリーグクラブの多くは、スマートフォンの専用アプリで「歓声」「拍手」といった表示をタップすると、スタジアムのスピーカーからリアルタイムで音声が出るシステムを導入。6月27日の無観客で体感したJ2千葉のMF田口泰士が「モチベーションが上がる」と歓迎したように、スタジアム全体のテンションを高めている。

 「心の中で歌う」

 刺激する対象は心にも及ぶ。J1のFC東京はホームの試合直前、昨季までと同様に応援歌「You’ll Never Walk Alone」(あなたは孤独ではない)のメロディーを流している。歌うのは禁じられているため、歌詞を表示する大型ビジョンには「心のなかで歌ってください」という注意書き。大合唱にならなくても、サポーターのクラブ愛をかき立てて一体感をもたらしている。

 ユニークな試みもある。野球観戦でおなじみの「ジェット風船」の使用が禁じられているため、阪神は膨らませた風船をデザインした「ジェット風船タオル」を導入。七回の攻撃前にファンがタオルを上げ下げするスタイルは定着しつつある。また、ロッテは入場券の半券に記された座席番号を使い、万が一の感染に備え入場券保管をうながす目的で、2週間後に抽選を行って球団グッズなどを贈るイベントを実施した。

 大相撲は感染対策優先

 一方、大相撲は苦労している。無観客開催の予定だった7月場所は、初日だった19日の6日前に観客動員が決まったこともあって感染対策の徹底で精いっぱいだった。お目当ての力士や親方衆との触れ合いが生観戦の売りだが、7月場所では当然のことながら禁止。尾車事業部長(元大関琴風)は「制約は心苦しいが、お客さんを守る意味もある」と話している。(奥山次郎、小川寛太、浜田慎太郎)

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