ヘルスケア

マインドフルネスがコロナ禍で疲れた心を整理 企業研修に瞑想・ヨガも

 企業研修に瞑想・ヨガ アプリ使い自宅でも

 コロナ禍で疲れた心大丈夫ですか、整理してみませんか-。瞑想やヨガなどを使った心のトレーニング方法「マインドフルネス」が注目されている。「ストレス低減や作業効率の向上につながる」とされ、企業の研修で使われるほか、個人が自宅で取り組めるアプリが人気だ。子供向けの本も出版されている。

 「頭のてっぺんからつま先まで注意を向けましょう」。9月、東急不動産ホールディングスのグループ社員向けオンラインセミナーで講師を務める「にこフル」代表の中村悟さんが画面越しに参加者に声をかけた。希望者が昼休みに自宅やオフィスから30分参加。瞑想したり、参加者同士で感じたことを話し合ったりする。参加者の小峰慎司さん(31)は、セミナーをきっかけに朝夜10分ずつ自宅で取り組む。「在宅勤務が増える中、オンオフの切り替えがしやすく、集中力が高まるようになった」と語る。

 マインドフルネスは米国の研究者が1970年代にプログラムを開発。「今この瞬間に、価値判断せず注意を向けること」と定義される。うつ病の再発予防に効果があるとされ、医療現場でも活用。手法は瞑想、ヨガ、散歩などさまざまで、米国ではIT企業が従業員の研修に取り入れ広がった。

 テニスのジョコビッチ選手らアスリートも実践しているほか、国連はホームページで職員向けに新型コロナウイルス禍の不安への対処法の一つとしてマインドフルネスを挙げる。日本でもここ数年、メンタルヘルス対策として企業が研修で導入。効果を実証する研究が進み、中村さんは「変化が激しい時代に人材開発や組織改革として企業が取り入れ広がった」とみる。

 一般の利用も広がる。オンライン講座が増えているほか、自宅で手軽に取り組める瞑想アプリも。「ラッセルミー」(月額利用料300円)は音声ガイドが付き、初心者向けの3分のプログラムから、経験者用の60分まで約80のプログラムを利用できる。

 「子供の精神安定にも効果がある」と話すのは「子どものためのマインドフルネス」(創元社)を訳した和歌山県立医科大の臨床心理士、大前泰彦さん。本では「ろうそくの火をゆっくり吹き消すイメージで呼吸を整える」と子供に分かりやすく紹介。落ち着きがない状態になっていた小学校低学年の学級で実践し、3カ月後には集中して学習できるようになったという。

 心療内科医の熊野宏昭・早大教授は「茶道や武道など日本古来の文化はマインドフルネスと共通するものがある。ルーツは仏教の教えにあるが、現在、宗教色はない」と話す。その上で「コロナ禍で情報が氾濫する中、ストレスをためず、視野を広げることができる」としている。

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