サントリー酒類と凸版印刷は13日、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」によるシミュレーション(模擬実験)を基に、飲食に特化したフェイスシールドを開発したと発表した。新型コロナウイルスの感染予防を実施しながら、安全に飲食してもらうためで、実店舗で使い勝手などの検証を進め、年末までに実用化を目指す。
理研の研究チームがさまざまな形状のマウスガードを着けて会話した場合の飛沫(ひまつ)の飛び方をシミュレーションしたところ、従来の口元だけを覆うタイプでは約7割の飛沫が漏れたのに対し、あごから鼻まで覆う「おわん」のような形にすると、外に漏れたのは3割程度に抑えられたという。
この結果を基に、サントリー酒類と凸版印刷はおわん型のマウスガードと保護メガネを組み合わせたようなデザインのフェイスシールドを開発。口を覆うマウスガード部分は、食べ物や飲み物を口に運ぶ時だけ横にずらして開くことができ、会話の際は元に戻す。フレームを透明な素材にすることで見た目の違和感を少なくするなど工夫を凝らした。
10月上旬から首都圏の業態の違う8店舗で実際に利用客に使ってもらう検証を始めており、月内に結果を取りまとめる。さらに改良した後、設計図は無料で公開し、誰でも生産できるようにする計画。オープンにすることで、早期の普及やさらなる改良を後押しする。
サントリー酒類の山田賢治社長は「年末は飲食店にとって書き入れ時で、忘年会など団体利用も多い。間に合うよう普及できれば」と話した。