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高級化も進む? 「のり弁当」、その魅力を再認識

 おかかとのりを敷いたご飯の上にサクッと揚がった竹輪の磯辺揚げと白身魚のフライ、そしてきんぴらごぼうと漬物。安くてボリュームある「のり弁当」は弁当チェーンなどで販売されて、日本人の食を支えてきた。近年では、のり弁当の専門店が相次いでオープン。素材にこだわった高級路線を打ち出して、人気を集めている。(本江希望)

 東京都千代田区にある靖国神社の石鳥居の目の前に店を構える「海苔(のり)弁 いちのや」は、7月にオープンしたのり弁当の専門店。飲食店プロデュース会社、店舗ナンバーワンホールディングス(同区)が運営し、販売する弁当は「海苔弁」と季節限定の「海苔弁『秋』」の2種類のみ。価格はいずれも1080円だ。

 なぜのり弁当の専門店なのか。マネジャーの風間塁さん(40)によると、新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド(訪日外国人)需要が落ち込み、日本人向けに立ち戻るなかで、のり弁当の専門店を始めることを決めたという。

 「専門店のほうが、こだわりを出すことができる。老若男女問わず人気があり、日本の文化でもあるおいしい海苔弁で元気を与えたい」と風間さんは語る。

 定番の海苔弁は、白身魚フライや竹輪の磯辺揚げ、きんぴらごぼうなど王道のラインアップに鶏肉の焦がし焼きなどが加わったボリュームある内容で、米は新潟県のブランド米「新之助」、のりは瀬戸内海、青のりは四国の四万十川、竹輪は宮城県塩釜、鶏肉は三重県松阪など、全国各地から取り寄せたこだわりの食材がふんだんに使われている。

 白身魚フライの魚は肉厚で、ほくほくとした白身魚の食感を楽しむことができ、高級のり弁ならではのぜいたくな気分を味わうことができる。11月末までの季節弁当「海苔弁『秋』」は、マツタケのあぶり焼きを添えた柚庵(ゆうあん)焼きの銀鮭、まいたけの磯辺揚げなど、秋を感じさせる豪華な内容。1日30~50個限定で、売り切れ必至の人気商品だという。食材にこだわっているため原価率は高いが、「こういう時代なので、できるだけ求めやすい価格で、多くの方に食べてほしい」と風間さん。「海苔弁という日本の文化を世界に広めたい」という目標もあるという。

元祖は弁当チェーン

 竹輪の磯辺揚げ、白身魚のフライなどがのった定番ののり弁の元祖は、弁当チェーン、ほっかほっか亭だといわれている。運営するハークスレイ(大阪市)の担当者によると、埼玉県草加市で昭和51年にオープンした第1号店で「のり弁当」を販売開始。一般家庭で作られていたのりおかか弁当が原型で、最初の約2年間は、白身魚フライではなく、焼き魚だったという。

 創業当時の価格は260円。価格は上がったが、現在でも360円の低価格で販売されている。

 「のり弁当は親しみやすい弁当で、当社の代名詞でもある人気商品なので、この値段で頑張っている」と担当者は語る。

 気取らないおいしさで40年以上、日本人のおなかを満たしてきたのり弁当。ぜひ味わってその魅力を再確認してほしい。 

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