1990年代前半から2000年代初頭に大量供給された分譲マンションが現在、リフォーム適齢期にさしかかっている。マンションリフォーム売上高で7年連続トップ(リフォーム産業新聞調べ)の住友不動産では、「新築そっくりさん」でマンションの専有部を丸ごと再生する「スケルトンリノベーション」事業を展開している。
スケルトンとは骨格や骨組みを指し、構造躯体(くたい)とサッシ・玄関ドアを残して解体、間仕切りから配管・電気配線などを一新する。間取りも自由に変更でき、キッチンや浴室など水回りの移動も可能で、築50年の物件も新築同様になる。
戸建て同様に、専門家が無料で建物調査をしたうえで、専有部の再生プランを提案。リフォーム内容が決まれば本体工事は床面積当たりの完全定価制だ。システムキッチンなど住宅設備機器は別料金だが、同社では「マンション最大手の資材調達力で価格・品質とも満足いただいている」と説明する。
顧客は50代以上が中心だが、30~40代が「リフォーム代を含めても新築を買うよりもお得」と、中古マンションを購入して、スケルトンリノベーションを利用するケースもあるという。(取材協力 住友不動産)