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富山の元バー店長が考案、特許目指す 片手で口元を覆う顔シールド

 新型コロナウイルスの影響で接待を伴う飲食店が苦境に陥る中、富山市のバーの元店長、中村奈々さん(25)は、片手で持って口元を覆う小型フェースシールドを考案し、特許取得を目指している。自然な動きで対策ができ、表情が見えやすいと客から好評で「苦しむ同業者にも広めて、安心できる店作りを助けたい」と意気込む。

 製品名は「Hand de shield(ハンド・デ・シールド)」。近くでスナックを営む母の京子さん(53)と協力して7月ごろに考案した。円形にカットした柔らかいアクリル板にベルトを取り付けて手を差し込めるようにし、話す際に軽く曲げながら口元に当てる。既存の顎に装着するタイプだと飲み物が飲めないとして、手作りして店で使ったところ「表情も見やすく便利だ。特許を狙える」と客から評判に。市内の特許事務所でもお墨付きを得て、8月末に出願した。

 2年前から店長をしていたバー「Earth」は9月に閉店した。官庁街に近く、以前は出張客ら1日数十人でにぎわったが、県内で初めて感染が確認された3月末以降は片手で数えるほどに減少。いち早く感染対策に取り組んでいただけに「夜の店とくくられる悔しさで毎日のように泣いた」。店のオーナーでもある京子さんも「娘の店を守るか、閉めて家賃などの赤字を減らすか」と悩み、心労から吐血することもあった。

 その中でも客が戻ってきやすい店を目指し、朝まで2人で感染防止策を練った。ある日、笑って口元に手を当てた京子さんを見て「手にシールドがあれば自然な動きで飛沫(ひまつ)を防止できる」とひらめいた。

 今は徐々に客が戻ってきた京子さんのスナックを手伝いながら、形状の改良に取り組む。「感染防止に役立てたいという希望を持つことで、つらい時期も心が救われた」と振り返る。今後は同業者に広めて、客足回復に貢献したいと考えている。

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