次世代モビリティサービス 長野・塩尻で実証計画に参加
≪埼玉工業大学≫
埼玉工業大学が協力している長野県塩尻市内の一般公道におけるバス型自動運転車両を用いた走行実証実験「塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクト」が24日、始まった。実験は27日まで。
塩尻市がアイサンテクノロジーをはじめとする民間企業が参画する自動運転技術実用化に向けた包括連携協定の活動の一環。自動運転技術の向上に資するデータの取得と自動運転車両に対する社会受容性の向上を図るのが目的で、同大は学内で開発した自動運転バス(リエッセII)に、自動運転ソフトウェア「Autoware」と高精度3次元地図をベースに自己位置推定、障害物認識等の機能を実装した実証実験車両を走行させている。
企画・開発のハチミツ製品、アメニティーに
≪工学院大学≫
学生プロジェクト「みつばちプロジェクト」と「Science Create Project(サイエンス・クリエイト・プロジェクト)」は、東京プリンスホテル(東京都港区)とコラボレーションしたオリジナル宿泊プラン「KUTE Honey Stay」を開始した。
東京の自然の恵みを楽しむプランで、東京産ハチミツから生まれた「KUTE Honey ハンドクリーム」「KUTE Honey in the Bath(入浴料)」のアメニティーと東京タワーメインデッキ入場券が付いている。ハンドクリームと入浴料は、学生たちが老舗化粧品メーカーと協働で企画・開発した。これからの季節、乾燥が気になるお肌に自然由来の成分で潤いをもたらし、ハチミツの甘い香りがくつろぎのひとときを演出する。
量子コンピュータの国家プロジェクト参画
≪金沢工業大学≫
電気電子工学科の井田次郎教授の研究室が、量子コンピュータ研究の国家プロジェクト「超伝導体・半導体技術を融合した集積量子計算システムの開発」に参画する。量子コンピュータ制御用半導体集積回路「量子・古典インターフェース」に使用されるトランジスタの極低温下での動作原理を解明することをめざす。この研究は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)からの再委託であり、東京大学と金沢工業大学の井田研究室が担当する。井田研究室は、プロジェクトの研究開発のうち、量子・古典インターフェース技術(QC-IF)の開発を行う。研究の第1ステップとして、シリコン電子デバイスを4K(ケルビン、約-269℃)程度の極低温で使うための基盤技術の構築に取り組む。井田研究室は研究室が保有する完全空乏型SOI-CMOS素子を使った極低温下での動作実験を開始することにしている。
杉材でベンチ作製、モノづくりの基礎学ぶ
≪広島工業大学≫
環境学部建築デザイン学科の1年生108人が、授業の中で広島県産の杉材を使いベンチを作った。本来は1年生の前期科目として4年間の学びの土台づくりとなる授業だが、新型コロナウイルス感染症の影響で後期に変更。大学は完成したベンチを県内の公共施設などに贈る。学生は11班に分かれ、まずコンセプトとデザインを話し合い設計。大型の機械やのこぎりを使い、真剣な表情で木材を加工し組み立てた。中には、1人分の座面を可動式にして、隣との間隔を広げることで心理的に座りやすい作品もあった。森田秀樹教授は「デザインから加工、組み立てまでの全工程を体験し、モノづくりの楽しさを感じてほしい」と話した。
紙のソフトロボ、構造や動きの印刷に成功
≪芝浦工業大学≫
工学部電気工学科の重宗宏毅助教らの研究チームは、紙のセルロース繊維と印刷する薬液の反応をエネルギーとして、自律的に立体構造を形成し動き出すソフトロボットの開発に成功した。標準的なインクジェットプリンタを利用して、紙へ自律的に折り畳む順序をプログラムし、構造や動きの印刷を可能にしたもの。構造や動きを印刷することで、柔らかくもろい製品の立体的な包装に活用したり、太陽電池パネルを常に太陽に向かせることでエネルギー収集量を増やしたりするなど、技術の幅広い応用が期待される。インクカートリッジに薬液を入れ、紙に単純な直線をインクジェットプリンタで印刷すると、線を起点に紙が自動的に折り畳まれる。また、濃度の違う薬液をインクカートリッジに設置することで、折り畳みの順序付けを可能にした。それに伴い、薬液の濃度と折り畳み時間の関係性についても解明。カートリッジの数を増やすほど、より多くの動きを紙に対してプログラムできる可能性がある。
空気清浄装置の迅速な設計手法を開発
≪東京都市大学≫
理工学部電気電子通信工学科の江原由泰教授は、ウイルスサイズの微小粒子まで効率よく捕集する空気洗浄装置を、設置する場所に合わせ、短時間で設計できる技術を開発した。現在主流の手法では、簡易的なシミュレーションで微小粒子の動きを予測して、繰り返し装置を試作・実験している。
今回開発した手法は、自動車や航空機の風洞実験で用いる粒子画像流速測定法(PIV)解析を応用。微小粒子にレーザー光を当て、高速度カメラで動きをとらえることにより、仮想シミュレーションの精度を向上させ、試作等の回数を減らすことが可能となる。
研究室配属にマッチングアルゴリズム活用
≪大阪電気通信大学≫
情報通信工学部通信工学科は、昨年度より3年生の「卒業研究室配属」をオープンな形でネットワーク通信によりリアルタイムで実施している。ノーベル経済学賞を受賞した安定マッチングアルゴリズムを採用し、学生と教員の双方の希望を最大限に叶えることができる。
学生は希望する研究室を第4希望まで選び、Web上にて電子投票する。各教員はそれぞれの研究室ごとに設けた評価基準を基に学生を並べたリストを準備し、それぞれのデータをプログラムにセットする。各学生のデータは、第1希望から順に希望する研究室に配属を願い出る処理がなされ、研究室側は、順位リストのデータに基づいて受け入れの可否をネットワーク通信で回答。希望が通らなかった学生の投票データは第2、第3希望と希望度の高い順にこの作業を繰り返す。後の集計によれば93.8%の学生の希望が叶い、98.7%の学生が従来の方法より安定マッチングを利用した方法が良いと回答している。
量子高速フーリエ変換を考案
≪東京理科大学≫
理学部第二部物理学科の堺和光准教授らの研究グループは、量子計算と高速フーリエ変換を結び付けた量子高速フーリエ変換を考案した。画像・音声等のデータ解析などで幅広く利用される高速フーリエ変換を、量子力学的な効果を用いて大量の情報を同時に処理することが可能な量子コピュータ上で実現するもので、次世代の基幹技術としての広範な応用が期待される。研究グループは、加算器や減算器などの基本的な量子算術演算回路を独自に改良・設計することにより、効率性を高めた演算回路を実現した。量子高速フーリエ変換はデータを量子状態自身にエンコーディングすることで処理を行うが、これはデータを量子状態の振幅によって表す従来の量子フーリエ変換とは根本的に異なる概念となっている。使途が限られる量子フーリエ変換と比べ、量子高速フーリエ変換は汎用性が高く、物理、工学、医療等の様々な分野に対して強い影響を与えると期待できる。
【ガイド】
工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp
芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp
千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp
東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp
東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp
東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp
大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp
大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp
金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp
豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp
広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp
愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp
埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp