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手軽なシリアル アレンジさまざま 新型コロナで間食需要も増

 香ばしい穀類が元気を与えてくれるシリアル。忙しい朝や小腹がすいたとき、調理不要で食べられる手軽さもうれしい。新型コロナウイルス感染拡大による「巣ごもり」生活の中で、人気が高まっているようだ。(小林佳恵)

 11月中旬、東京都目黒区のシリアル専門店「Good Morning Tokyo(GMT)」を訪れると、店いっぱいに、穀類をオーブンで焼くこうばしい香りが漂っていた。店内には「グラノーラ」や「ミューズリー」など、季節限定品を含め30種類を超えるシリアルがずらりと並ぶ。

 同店は平成22年、米ミシガン州出身のオーナーシェフ、ビル・ヴァンオルスタインさん(59)が開店した。ヴァンオルスタインさんは昭和60年に来日し、もともとは金融関係の会社に勤務していた。店を開いたきっかけは、ミューズリーを活用したダイエットに成功したこと。だからこそ、「体に良いのはもちろん、おいしく、喜んで食べてもらえるものを作りたい」との思いがある。例えばグラノーラは、一部のドライフルーツなどを除き、カナダ産メープルシロップと蜂蜜のみで甘さを出し、素材にこだわっている。

 ヴァンオルスタインさんによると、同店のシナモンアップル味のグラノーラは、アイスクリームと合わせるとおやつにピッタリ。香辛料の利いたチャイスパイス味は、温かい牛乳と相性が良い。シリアルをカレーやオムレツに合わせる人もおり、ヴァンオルスタインさんは「食べ方に決まりはない。自由に楽しんで」と笑顔で話す。

 幅広い世代に

 日本ケロッグ(東京都千代田区)のPRマネジャー、木村正人さんによると、シリアルは基本的に、コーンやオーツ麦などの穀類を焼き上げて加工したものを指す。原料や加工方法などの違いから、フレークやグラノーラ、ミューズリーなどに分かれる。

 ビタミンや鉄分、食物繊維などの栄養素が多く含まれ、栄養バランスに優れており、人類初の月面着陸を成功させた「アポロ11号」にも、凍結乾燥したフレークを搭載していたという。

 昭和38年、同社が日本でコーンフレークの販売を開始した当初は、主に子供向けの朝食として売り出したが、現在は働く世代からシニアまで幅広い世代に浸透しているという。

 ヘルシーなおやつ

 木村さんによると、新型コロナの感染を防ぐため外出自粛が呼びかけられるなどしたことにより、手軽に食べられるシリアルが食卓に上る割合は朝食を中心に増加傾向。さらに、間食需要が飛躍的に増えているといい、「在宅ワーク中のヘルシーな食事として人気のようです」と分析する。

 こうした状況の中、同社は8月、ホテルニューオータニと連携し、小学校の臨時休校中に子供との過ごし方や食事作りに悩んだ親に、子供がグラノーラを使った料理を振る舞う「リトルシェフプロジェクト」を実施した。

 パンケーキに混ぜ込んで焼くレシピのほか、青汁やヨーグルトと合わせるなど火を使わずにできるものもあり、「シリアルならではの手軽さで子供にも挑戦しやすく、親子のコミュニケーションのきっかけにもなります」と木村さん。シリアルのさまざまなアレンジに挑戦すれば、おうち時間がもっと楽しくなりそうだ。

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