宇宙開発のボラティリティ

スペースXの巨大な宇宙イカ爆発も、イーロン・マスク「大成功!」のワケ (2/2ページ)

鈴木喜生
鈴木喜生

 スペースX社が独自開発したラプター・エンジンによる上昇、予定高度でのエンジン停止、水平姿勢での降下、着地ポイントへの正確な誘導、そして、エンジン再点火に必要な燃料タンクの切り替えに成功したことにより、イーロン・マスク氏は「スペースXチーム、おめでとう!」ともコメントしています。

 唯一の失敗は着陸ですが、その理由として、降下以後に切り替えた上部燃料タンクの圧力が十分ではなかったことが挙げられています。

 宇宙船を火星へ飛ばすには、2年に一度訪れる打ち上げタイミング「打ち上げウィンドウ」を待つ必要がありますが、今回のテストに先立ってイーロン・マスク氏は「2024年から有人火星探査を開始し、火星への軌道投入を10回行えば、2050年までに火星に都市をつくることが可能だ」と言っています。

【スターシップの運用がわかるCG動画】

エイ出版社の現役編集長。宇宙、科学技術、第二次大戦機、マクロ経済学などのムックや書籍をプロデュースしつつ自らも執筆。趣味は人工衛星観測。これまで手掛けた出版物に『宇宙プロジェクト開発史大全』『これからはじまる科学技術プロジェクト』『零戦五二型 レストアの真実と全記録』『栄発動機取扱説明書 完全復刻版』『コロナショック後の株と世界経済の教科書』(すべてエイ出版社)など。

【宇宙開発のボラティリティ】は宇宙プロジェクトのニュース、次期スケジュール、歴史のほか、宇宙の基礎知識を解説するコラムです。50年代にはじまる米ソ宇宙開発競争から近年の成果まで、激動の宇宙プロジェクトのポイントをご紹介します。アーカイブはこちら

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus