■現代に置き換えて竈門家の相続順位を考察すると
さて、では、現代だったらどうでしょう? 第二次大戦後の昭和22(1947)年、新日本国憲法で法の下の平等が定められました。それに伴い、民法も改正され、家督相続も廃止されました。
応急措置法として、昭和22年5月3日~昭和22年12月31日の相続発生に適用される条項が定められました。順位と遺産配分は以下の通りです。配偶者が常に相続人に含まれるのは、被相続人(亡くなった方)が他界した後の配偶者の生活を守るためと、配偶者はその家庭の財産を築くために最も貢献した立場にあるとの考えによります。
第1順位:配偶者(全相続財産の1/3)、直系卑属(全相続財産の2/3)
第2順位:配偶者(全相続財産の1/2)、直系尊属(全相続財産の1/2)
第3順位:配偶者(全相続財産の2/3)、兄弟姉妹(全相続財産の1/3)
なお、直系卑属とは、被相続人の直系の血族で、且つ被相続人から見て下の世代である子や孫などのことです。直系尊属とは、被相続人の直系の血族で、且つ被相続人から見て前の世代の父母や祖父母などを指します。
・事例1:現代の相続では母親と炭治郎の順位が逆転
その後、民法は何度か改正されましたが、昭和55(1980)年1月1日以降、下記の相続順位が適用されています。
第1順位:配偶者(全相続財産の1/2)、子(全員で全相続財産の1/2)
第2順位:配偶者(全相続財産の2/3)、直系尊属(全員で全相続財産の1/3)
第3順位:配偶者(全相続財産の3/4)、兄弟姉妹(全員で全相続財産の1/4)
この相続順位と遺産分配の割合を竈門家に当てはめると、以下の通りとなります。父親・炭十郎の配偶者である葵枝(きえ)は遺産分配1/2ですから全相続財産の50%、子どもたちは6人いるので、残り50%÷6=8.3333…%が子どもの各分配割合となります。小数点以下2位未満の端数がある場合、相続の取得者全員で話し合い、各取得者の割合の合計値が1になるよう調整することになっています(下図は調整前と想定)。