コロナ その時、

(5)2020年4月1日~4月8日 緊急事態宣言、人影が消えた (2/2ページ)

 首相は5日ごろまで迷い続けていたが、医療崩壊を恐れる政府専門家会議の報告と、西村康稔経済再生担当相や側近と協議する中で腹をくくったようだ。

 政府は緊急事態宣言を発令した7日、事業規模108兆円に上る経済対策を盛り込んだ令和2年度第1次補正予算案を閣議決定した。経済が冷え込む対策として、減収世帯を対象にした30万円の現金給付などを盛り込んだ。首相と自民党の岸田文雄政調会長が3日に合意したものだが、与党内で不満が噴出。国民全員への10万円給付に至る紆余(うよ)曲折の火種を残した。

 海外では7日、米ニューヨーク市の死者が3544人となり、米中枢同時テロの犠牲者数(2977人)を上回るなど、ウイルスの猛威が増していった。

 トランプ米大統領は世界保健機関(WHO)を「非常に中国寄り」と批判し、拠出金の凍結、削減の検討を表明。トランプ氏がウイルスの発生源と批判する中国湖北省武漢市の都市封鎖が8日、約2カ月半ぶりに解除された。世界の覇権をめぐる米中の分断は決定的になった。(次回(6)は明日1月2日に掲載します)

【SNSのデマ】 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、会員制交流サイト(SNS)ではデマも拡散し、人々が振り回された。各地の店舗で2月末にはトイレットペーパーなどの買いだめが起き、品薄状態が続いたが、ツイッター上の「マスクの次に不足」とのデマ情報が発端とされる。

 また、「4月1日に緊急事態宣言が出される」「4月2日にはロックダウン(都市封鎖)が実施」など、不安をあおる出所不明の電子メールなども多く飛び交った。

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