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「声が出にくくなった」長引く外出自粛、高齢者に何が 

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外出を控える高齢者が増えている。重症化リスクがある高齢者に十分な感染対策は不可欠だが、運動量やコミュニケーションの減少が心身の健康を損ねる恐れもある。カギを握るのは「運動」「栄養」「社会参加」。年末年始の帰省を控えた人も多いとみられるが、専門家は「子供や孫が意識し、つながりを増やしてほしい」と呼びかけている。(野々山暢)

 《幸せが届きますように》。昨年12月、大阪府吹田市に住む独居の高齢者約130人に手書きのクリスマスカードが届いた。

 手がけたのは大阪大の学生団体「すいすい吹田」に所属する学生10人。緊急事態宣言中の同年4月、高齢者の孤立を防ごうと、地元の社会福祉協議会などと連携して初めて手紙を送った。

 翌月からは、学生がそれぞれの近況などを知らせる「よりそい隊通信」を作成。地区の福祉委員らが高齢者に直接手渡し、「声に出して読んで」と呼びかけている。活動に参加する置塩ひかるさん(23)は「気にかけてくれる人の存在を実感できれば、力になるはず」。

 感染対策の徹底は重要だ。しかし、外出自粛で自宅にこもりがちになることで、高齢者の身体機能や認知機能が低下し、要介護の一歩手前の「フレイル」となる恐れもある。

 吹田市社会福祉協議会では、定期的に開催していた昼食会や茶話会がコロナ禍で中止になった。地元の福祉委員のもとには「椅子から立ち上がるのがつらくなった」「人と会話する機会が減り、しゃべりにくくなった」との声が寄せられている。

 どのような点に注意するべきか。動いて、食べて、人とつながる-。東京都健康長寿医療センター研究所は、こう指摘する。

 具体的に推奨するのは、家の中でも1日に2千~3千歩を確保する身体活動や、人混みを避けての散歩。少量ずつでも多様な食品を食べ、離れて暮らす家族や友人と電話やメールで交流することも効果的と掲げる。

 一部地域の高齢者を対象とした調査では、コロナ禍でメールや電話といった「非接触の交流」も2割弱の人で減っていた。

 東京など1都3県で緊急事態宣言の再発令が検討されるなど、年が明けても厳しい感染状況が続いている。研究所の北村明彦・研究部長は「子供や孫の方が例年より意識して、つながりを増やしていくことが重要。電話や手紙に加え、栄養が豊富な食べ物を送るのも一つの手段。それぞれの家庭に応じた形で、アプローチしてほしい」と話している。

 同研究所のホームページでは、詳しい予防のポイントや自宅でできる体操の方法などを紹介している。

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