試乗スケッチ

力強いのに紳士的な振る舞い 縦長グリル輝く正統派クーペ「BMW M440i」 (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

快感を覚えるエキゾーストサウンド

 さて、そのM440iの走り味は軽快である。そして力強い。おそらく2021年の初春に日本投入となるM4はこのM440iを遥かに凌(しの)ぐパフォーマンスを披露するに違いないが、M440iは力強さに加え紳士的な振る舞いが備わっている。

 搭載するパワーユニットは直列6気筒3リッター、シングルターボチャージャーが組み合わされる。最高出力は387ps、最大トルクは500Nmに達するというから、加速力は凄まじい。

 絹のように滑らかに回る直列6気筒であることからシルキー6と呼ばれるそれは、全回転域で淀みなくトルクが溢(あふ)れ出す。エキゾーストが迫力のある音量を響かせるものの、密度の濃いシリンダの爆発が伝えるバイブレーションやサウンドは快感ですらある。そのエンジンを味わうだけでも価値があると思える。

 もちろんコーナリング姿勢は爽快で鋭い。だが、その伝統的な縦長キドニーが主張するように、新鮮な空気を腹いっぱいに吸い込んで、500Nmという強力なパワーを見舞う瞬間こそ、M440iが光り輝く瞬間のように思えた。

 これからしばらく、縦長キドニーグリルの時代が続きそうである。そしてそのイメージリーダーとして4シリーズがBMWを牽引する。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。

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