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弁当でエール 東京・品川区、飲食店と医療従事者を支援

 新型コロナウイルス感染症の治療などにあたる医療従事者と、緊急事態宣言の再発令で時短営業を余儀なくされている飲食店を支援するため、東京都品川区は区内の飲食店に弁当を発注し、病院に無償提供する「品川区飲食店・医療従事者応援プロジェクト」をスタートした。約40店舗が参加し、2月6日まで、弁当を通じたエールが双方に送られる。(本江希望)

 プロジェクト初日の1月18日の午後4時すぎ、同区東大井にある東京品川病院の一室には、天丼やカレー、イタリアン弁当など13種類の弁当が並べられていた。

 「すごい。テンションが上がりますね」

 新海正晴副院長は、病院に届いた色とりどりの弁当に感嘆の声を上げた。夜勤を控え、弁当を受け取るスタッフらも思わず笑顔を浮かべる。

 同病院は、昨年の1月下旬から新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れており、現在、コロナの入院患者数は約40人に及ぶ。激務の中で、食事はもっぱらコンビニエンスストアの弁当が多いといい、「緊急事態宣言で飲食店が閉まるのも早いので、とてもありがたいですね」と新海さん。

 プロジェクトには、午後8時までの都の時短要請に協力している区内の飲食店約40店舗が、区商店街連合会を通して参加。2月6日まで、日曜を除いて平日は300食、土曜は120食、いずれも13~14種類の弁当が東京品川病院に届けられる。弁当代や配送費などの事業費は区が負担することで、飲食店と医療従事者の双方を支援する仕組みだ。今後は同区旗の台の昭和大学病院への提供も予定している。

 プロジェクトに参加した大井光学通り商店街会長の増子忠広さん(59)は、そば店「大井更科」の3代目。コロナで客足は3分の1~4分の1に減るなど厳しい状況が続いているとしながらも、「医療従事者の方々には感謝しかありません。自分たちも頑張って、一緒に国難を乗り越えたい」と力強く語った。

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