ちば人物記

「出店者と客層広げ、にぎわいを」 かつうら朝市の会会長の江沢修さん (2/2ページ)

 また、出店者数減の背景には高齢化だけでなく、新陳代謝が起りにくい慣行もあった。出店者保護の観点から、既存の出店者と同じ業種は新規出店ができなかったり、人通りの多い場所での出店者がしばらく休んでいても、他の出店者がその場所を使えなかったりしたのだ。出店者を大事にするという理念は正しくても、それが一種の“既得権”となっていた。あさいちの会は今月、「更新制」を導入するなど、好立地を有効活用するとともに、出店者に競争意識を持ってもらう仕組みを整えた。

 若い人が出店すれば、若いお客も増えるし、新しい業種が加われば、それを目当てに新しいお客が来る。朝市の出店者数は増加傾向に転じた。「固定化していた客層が、変わってきた」。江沢さんは手ごたえを感じた。

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 しかし、あさいちの会の活動が奏功してきたところで昨春、新型コロナウイルスの感染が拡大した。

 朝市は屋外で行われる強みもあり、当初は人出に大きな影響は出ていなかったという。だが、コロナ以前は多かった大学生やスポーツ選手の合宿などが激減。勝浦市を訪れる人は少なくなり、宿泊者の買い出し需要もなくなった。毎月第2日曜の開催となり、1月10日に予定されていたマルシェについても、江沢さんは決行を主張したが、話し合いの末、中止になった。緊急事態宣言の期間中は行われない予定だ。

 「コロナが収束すればインバウンドも戻る。朝市を柱に、勝浦を元気にしていきたい」。“攻め”に転じる将来を見据えながら、地道に街の活性化に取り組む考えだ。(高橋寛次)

 えざわ・おさむ 昭和24年10月、千葉県勝浦市生まれ。勝浦高校卒業後、旧国鉄で蒸気機関車の機関助士などを、国鉄分割・民営化後のJR東日本、いすみ鉄道で運転士を務めた。現在は同市内で「民宿神田」を経営しているほか、かつうら朝市の会会長、同市民宿組合組合長、同市観光協会副会長、勝浦市まち歩き観光ガイド会長を務める。地元での愛称は、父の名前を由来とした「とらさん」。

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