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質量とも「日本一」なのに…知名度低い「知覧茶」 全国区のブランド確立へ (1/2ページ)

 2月に参加無料のオンラインイベント

 お茶の生産量や品質で「日本一」を誇りながら全国的な知名度が低い鹿児島県南九州市の「知覧(ちらん)茶」をPRし、全国区のブランドを確立しようと、同市茶業振興会と同市茶流通対策協議会は2月、「ともにつくる、新しき知覧茶」と題したオンラインイベントを開催する。生産者だけで知覧茶の将来を考え続けるのをやめ、全国に仲間を募って新たな知覧茶をともに作っていこうという取り組み。昨年日本一に輝いた知覧茶を飲みながら意見交換をしたり、「知覧茶のカクテル」といったオトナの愉(たの)しみ方を模索したりする“茶産地のドキュメンタリーイベント”への参加を広く呼びかけている。

 静岡茶、宇治茶、狭山茶…。これらは日本で広く知られているブランド茶だが、市町村別のお茶の生産量では、知覧茶の南九州市が国内の約15%を占め全国トップを誇る。品質でも昨年の全国茶品評会で、南九州市が煎茶10キロの部で産地賞1位(団体優勝)、個人でも知覧銘茶研究会・枦川(はしかわ)製茶が最高賞の農林水産大臣賞に輝くなど、まさに「日本一の茶どころ」と言っても過言ではない。

 南九州市は2007年12月、もともとお茶づくりが盛んだった「知覧町」、「頴娃(えい)町」、「川辺(かわなべ)町」の3町が合併して誕生した。旧町ごとに「知覧茶」、「頴娃茶」、「川辺茶」の3銘柄が存在していたが、2017年4月に「知覧茶」に統一し、知覧茶ブランドのPRを強化してきた。

 だが、首都圏などの巨大消費地から遠いという地理的ハンディの影響は大きく、いまだ知覧茶は「知る人ぞ知る無名の銘茶」(南九州市関係者)という存在。今回のイベントは、そんな知名度という面で伸び悩む知覧茶について、あらゆる角度からスポットを当て、多くの人に深く知ってもらい、全国区のブランドを確立するのが狙いだ。

 イベントは2月の週末を中心に計4つ。1つ目は「Instagram知覧茶LIVE『知覧茶を支える 赤いスーパーカー』~松元機工株式会社に潜入~」(2月6日午後2時~3時、参加申込不要)。これは地元の町工場が茶畑を走る乗用型摘採機を生産者と二人三脚で創り上げたという開発秘話を、町工場の現場からライブ配信する。

 2つ目は「オトナの知覧茶、魅惑のマリアージュ~The Secret of Emerald Green~」(2月7日午後7時半~8時半、参加申込不要)。知覧茶生産者である宮原光製茶の宮原健(たけし)さんと、東京・代官山のモダンメキシコ料理店のバーテンダー、深水(ふかみ)稔大(としひろ)さんという作り手と淹(い)れ手の2人がトークセッション。深いみどり色が美しい知覧茶のカクテルメニューを中心に、家庭でも楽しめる知覧茶のオトナな愉しみ方を解説する。YouTubeでライブ配信する。

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