ヘルスケア

現役医師が断言「緩い日本のコロナ対策はむしろ多くの命を救った」 (1/5ページ)

 日本のコロナ対策は失敗だったのか。医師の大和田潔氏は「海外では厳しい規制をかけても大きな被害が出た。日本の対応はメディアに否定的に報道されているが、緩やかな規制と人々の協力で被害は小さく、最適解だったといえる」という--。

 ■日本人の気質

 私たち日本人は、謙遜と謙譲を美徳としてきました。つらくても努力し続け、その上で評価を待つ。自らを鍛え、成果をあげて人から評価されることを受動的に待つことを教えられて育ちます。

 目的と手段が本末転倒になり、最短で目的が達成するよりも努力し続ける非効率さが美徳とされることもよくあります。細かいところまで気を配り、「石橋をたたいて渡る」ことが日常茶飯事です。さらに武士道の文化もあわさり、自己研鑽(けんさん)の美徳と統合されています。

 たとえうまくいっても「それほどでも」と謙遜し、決して「うまくいったでしょ! スゴイでしょ」なんて自慢しません。みんなで一緒に行動することを良しとし、誰かが独り占めすることを良しとしません。少ない国土でも多くの国民が公平に平和に暮らせる、奥ゆかしさの工夫の中で培われた知恵だと思っています。

 これまでの日本の新型コロナウイルスへの対応は否定的に報道されたり、考えている人が多く見受けられます。しかし私は完璧だと考えています。

 「イヤイヤ全然ダメでしょ」と即座に否定されそうです。

 でも現実を見てみましょう。

 日本は先進国の中ではとりわけ新型コロナによる被害は少なく、流行は下火になっています。人々のいさかいもほとんどありません。政府と人々の対立もなく、みんなで協力してなんとか乗り越えたと言えるでしょう。

 私は、新型コロナは蔓延後に収束しすでに「季節性ウイルス」になったと考えています。国内では抗原検査は不要になりつつあると思っています。陰性を証明しないと、食事や観光などができないのは理に合いません。季節性になっている新型インフルエンザも通年で存在していますが検査は行われないからです。

 ■日本の3つの勝因

 私は、日本の勝因は3つに整理できると考えています。

 1つ目は、日本の保険医療システムが充実し基礎疾患を日頃からあまねく管理できていたことや、重篤化した人々も医療者が献身的に治療できたことだと思います。高度な医療機材や治療薬を有して使えることや、国民の教育度も高いことも含まれます。

 教育度が高いことは、ウイルスの概念を理解しマスクの必要性を実感したり、飲食店での飛沫経口感染を予防するための緊急事態宣言を国民全体で実行することにつながります。

 2つ目は、清潔観念が徹底していることです。疫病が繰り返しはやることに対応し、靴を脱いで入浴が好きで部屋にあがり手洗いうがいをするといった個人個人の日常保清、下水道などの都市設計、ネズミや蚊など媒介動物を駆除などもふくめた人間を守る公衆衛生の総合力です。

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