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一方向に動かす、薬剤はふきんに…クルーズ船消毒に携わったプロ推奨 家庭内除菌「拭き掃除」で  (1/2ページ)

 収束が見通せない新型コロナウイルス感染では、外からウイルスを持ち込み、家庭内で感染が広がるケースが増えている。重要になる予防対策で、1年前に集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内消毒に携わった清掃のプロたちが勧めるのは「拭き掃除」だ。適切な手順を動画で紹介するスマートフォンアプリも制作した。主なポイントは2つ。「一方向に拭くこと」と、「除菌スプレーを直接かけないこと」だという。(川畑仁志)

 「ウイルスを汚れごと拭き取ってしまい、残さないことが大切」

 家財整理・特殊清掃「レリック」(愛知県東海市)代表の神野敏幸さん(36)は説明する。「家庭内の除菌に特別な作業は必要ない。普段使いの掃除用品でも、手順や重点的に行うべき場所などのポイントを押さえておけば十分に効果がある」と指摘する。

 ポイントの1つ目は、ふきんや雑巾での拭き方。往復させたり、円を描くように動かしたりするとウイルスを広げてしまうため、必ず片側から一方向に動かす。壁やドアなど垂直面では高い場所にウイルスを残さないよう上から下方向に動かし、テーブルなどのへりは天板の側面と裏面をつかむようにして最後に拭き上げる。

 除菌スプレーなど薬剤の使い方でも注意が必要だ。

 テーブルやドアノブなどに直接スプレーを吹きかけると、表面にとどまっていたウイルスが風圧で舞い散ってしまう恐れがある。神野さんは「スプレーを吹きかけてから拭くのではなく、ふきんやタオルに薬剤を含ませて使うのが正しい。市販の家庭用洗剤で支障はないが、新型コロナに有効性がある界面活性剤を含んでいるかどうかを確認してほしい」と話す。

 神野さんは清掃のノウハウを、ダイヤモンド・プリンセスの船内作業で蓄積した。神野さんや同業者らは乗客乗員が下船した後の昨年3月、船内に入って全身防護服姿で過酷な消毒作業を経験した。

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