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ビーツ(3)酸と加熱でおいしく

 色鮮やかな見た目と豊富な栄養成分で人気のビーツだが、雨上がりの土のような匂いが特徴で、食べづらく感じる人も多い。おいしくいただくためのコツを料理研究家の荻野恭子さん(66)に聞いた。

 匂いの原因は、ビーツに含まれる有機化合物「ゲオスミン」。荻野さんは「土臭さもビーツの性分。ポリフェノールやオリゴ糖も含まれ、体に良いと世界中で食べられている野菜なのでぜひ食べてほしい」と話す。ロシアなど世界65カ国以上の料理を学び、ビーツのレシピ本などを出版。塩水港精糖のビーツドリンク開発にも協力している。

 荻野さんのおすすめは“漬物”だ。皮ごと刻んで塩水に漬けておくだけの乳酸発酵漬けや、甘酢漬け。乳酸や酢がゲオスミンを分解するからだ。ビタミンや食物繊維も取れ、そのまま食べても、レモンやはちみつを加えてジュースにしてもよい。

 ビーツ自体の甘味を増す加熱調理も、匂いを和らげる。甘味が強いのでごま油と塩で炒めればきんぴらに。カレーや豚汁に加えても風味豊かに仕上がる。タマネギやササミと一緒に煮たポタージュは、食卓の彩りにもなる。

 自身も冷蔵庫に常備するほどのビーツ好きという荻野さん。「以前に比べてビーツに興味を持つ人が増え、入手しやすくなってきた。ぜひ、大根やジャガイモのように普段使いをしてほしい」と話している。(取材協力 塩水港精糖)

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