教育・子育て

ドローン専門科目、設置なるか 令和4年度に開学の大阪公立大が検討

 大阪府立大と大阪市立大が統合し、令和4年度に開学する「大阪公立大学」に、小型無人機「ドローン」に関する専攻科目の設置が検討されていることが13日、関係者への取材で分かった。全学部・学科の生徒が主に1年次に学べる共通科目のほか、各学部・学科の専門性を生かした幅広い知識を学ぶ「副専攻プログラム」も想定。物流や農業、防災など、さまざまな場面での活用が期待されるドローン研究を推進する。

 関係者によると、日本の大学でドローンに関する科目を設置しているのは帝京大(東京都)や岐阜女子大(岐阜県)など、まだ少ない。ドローンに特化した専攻プログラムの設置は全国でも珍しいという。

 関係者によると、大阪公立大で設置が検討されているドローンに関する科目の一つは、全学部・学科生が1年次を中心に選択できる共通科目で、ドローンに関する広範な知識を身につけることができる。

 もう一つは基本的に2年次以降に選択できる「副専攻プログラム」を想定。各学部・学科の専門性からドローン研究にアプローチするもので、操縦技術からビジネス応用、開発といった幅広い展開を模索する。

 科目やプログラムとは別に、「スマートドローン技術応用研究所(仮称)」の設立準備も進められている。博士課程の学生のほか、外部研究者も集めて工学や経済学、都市工学や生命環境など幅広い分野でドローンに関する最先端の研究を集約、融合させ、実社会への導入につなげる。2025年大阪・関西万博で実証実験を行う計画だ。

 目指すのは、国内屈指のドローン教育・研究拠点化だ。同大学の関係者は「ドローン関係の最新技術を横断的に活用、組み合わせることで、さまざまな面から社会の課題を解決できる人材を育成する」とした。

 研究力向上、大学間競争

 ドローン関連の研究は大阪市立大で盛んに行われてきた一方で、大阪府立大でも技術の研究が進められてきた。2大学の統合による研究分野のさらなる広がりが期待されており、ドローン専門科目の設置は、少子化が進む中で激化する大学間の競争で優位に立つという狙いもある。

 府立大は昨年2月、世界を代表する航空大学で、ドローンの教育課程がある米エンブリー・リドル航空大に学生を派遣。学生らはドローン操縦実習などの授業を受講し、最先端の研究に触れた。これとは別に漁業の効率化を目指し、スマートフォンで制御できる水上ドローンの開発にも取り組んでいる。

 一方、市立大は令和元年12月、大阪府と産学連携協定を締結。ドローンを使った空撮による3Dデータから、災害時の被害状況把握につなげるシステム開発を進めている。同大は岸和田市の依頼を受けて岸和田城をドローンで空撮し、3Dモデル「バーチャル岸和田城」も作成中だ。

 統合後の大阪公立大は公立大としての強みをさらに生かし、自治体との積極的な連携を進めて都市問題に関するシンクタンクも兼ねた「知の拠点」を目指す。これらの取り組みを進めることで、少子化などの社会構造の変化に耐え得る教育機関にする方針だ。(井上浩平)

 ■大阪公立大 一橋大や神戸大とともに「旧三商大」と呼ばれ、医学部を持つ大阪市立大と、工学系に強みを持つ大阪府立大を統合し、令和4年4月に開学予定。府大の4学域、市大の8学部を1学域11学部に再編し、医学部と獣医学部を併設する関西唯一の大学が生まれる。学部入学定員は約2900人の予定。国公立大の中では大阪大、東京大に次ぐ全国で3番目の学生数で、公立大では国内最大規模となる。

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