書評

『「アメリカ」の終わり』山中泉・著 忘れられた犠牲者たちの現実

 コロナ禍で全米規模のロックダウン(都市封鎖)が実施されると、低所得者層や貧困層の生活が困窮した。大都市では人種差別反対運動(BLM)を旗印に、暴動、略奪、放火が頻発。この中には、メディアには取り上げられなかった大勢の犠牲者がいた。本書は、日本では報道されることのない“忘れられたアメリカ人”の生の声、現実をつづったものだ。

 滞米三十数年の著者が米国にいる約5000万人の貧困層の実情や、2020年の銃撃事件が急増していること、オバマケアにより中流階級の保険料の支払いが2倍になっている実情などを紹介する。(方丈社、1400円+税)

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